フィリピン最大のファストフードチェーン店、Jollibee(ジョリビー)を運営するジョリビー・フーズは今年、最大210億ペソ(約550億円)を投じて、世界の店舗数を1万店以上に拡大する計画だ。
ジョリビーの最高財務責任者(CFO)を務めるリチャード・シンは、同社が今年コーヒー部門を拡大の主な原動力として、最大800店舗を新規にオープンする予定だと述べている。
「我々の拡大戦略は、コーヒーおよびティー部門の成長に重点を置いている」と彼は述べた。同社の海外での拡大は、コーヒー部門のコーヒービーン&ティーリーフが牽引し、昨年買収した韓国のコンポーズ・コーヒーは当面、韓国国内でのプレゼンスの強化に専念するという。
シンによると、新店舗のうちの約500店はフィリピン国外での出店になるという。ジョリビーの店舗数は、2024年末時点で9766店で、韓国のコンポーズ・コーヒーの2629店舗を含む6384店が海外で展開している。
「我々はさまざまな市場の中でも、特に東南アジアにおける拡大の可能性を強く感じている。また、北米および欧州も魅力的な成長機会を提供している」とシンは述べた。
クリスピーなフライドチキンや甘めのソースがかかったパスタで知られるジョリビーは、現状で主力のレストランであるジョリビーブランドのフランチャイズ展開に注力している。「新規出店の70%は、フランチャイズの店舗が占める見込みだ」とシンは述べた。
ジョリビーは、ここ10年で海外展開を加速させており、純利益を2023年の88億ペソ(約230億円)の約3倍にあたる240億ペソ(約650億円)に伸ばすことを目標としている。同社はまた、コーヒーのような新たなセグメントへの投資や、米国子会社のスマッシュバーガーの赤字削減にも取り組んでいるとシンは述べた。
ジョリビーの歴史は1975年に、創業者のトニー・タン・カクションとその家族がマニラ郊外でアイスクリーム店を開業したことから始まった。同社は、昨年11月に完全子会社した香港発の点心ブランドである添好運(ティム・ホー・ワン)や、ベトナムのハイランズ・コーヒーを含む19ブランドを、34カ国で展開している。
フォーブスアジアが昨年8月に発表したフィリピン長者番付で、タンとその家族の保有資産は29億ドル(約4340億円)とされ、6位にランクインしていた。