今週は、夜空を旅する三日月の眺めが美しい。少しずつふくらみを増しながら1等星や木星、火星と次々に出会う様子を楽しもう。月とおうし座のプレアデス星団(すばる)のランデブーは、2025年の夜空の見どころのひとつ。ふたご座との共演も見逃せない。
4月第1週の星空情報についてまとめた。
4月1日(火):細い月とプレアデス星団が並ぶ

今宵、細い月が日没後の西の空を飾る。オリオン座の「三つ星」(オリオンのベルト)を西の方角へとたどっていくと、見つけやすい。
月の上方には、おうし座のプレアデス星団(すばる)がきらめいているはずだ。英語では明るい星をギリシャ神話の7人姉妹に見立てて「セブンシスターズ」と呼ばれるこの散開星団は、地球から約440光年の距離にあり、薄明りの残る宵の空でも肉眼で探せる。今年は毎月、月がすばるに接近するので、写真撮影に挑んでみてほしい。
4月2日(水)~3日(木):おうし座で月と木星がランデブー
明るさを増した月が、おうし座を通過しながら木星に接近する。空が暗くなったら西の方角を見よう。双眼鏡を使えば、木星の周りに4つの衛星、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストが明るい点として見える。

4月4日(金):木星と火星が月をサンドイッチ
日没後の西南西の空で、半月に1日足りない月が木星と火星に挟まれて輝く。1月と2月に夜空を飾った「惑星パレード」の名残は、もうこれだけだ。
4月5日(土):ふたご座で上弦の月と火星が共演
ちょうど半分だけ明るい上弦の月が夜空を支配する。半月は、ふたご座の兄弟星、1等星ポルックスと2等星カストルのすぐ近くで光を放ち、兄弟星と小さな三角形を形づくる。左側には、兄弟星と並ぶように火星も輝いている。

今週の星座:ふたご座
ギリシャ神話に登場する双子の星、ふたご座が今週の主役だ。兄弟星のポルックスとカストルは、5日から6日にかけて火星および月と共演する。ポルックスは赤色巨星で、周りを公転する太陽系外惑星が1つ確認されている。一方のカストルは、実は3組の連星からなる6重連星である。ふたご座は日没後、南西の空の高い位置を探すと見つかる。
