【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

ライフスタイル

2025.04.03 15:15

CBDは合法になったのに、なぜ広がらない? “透明な壁”の正体とは

Irina Gutyryak / Shutterstock.com

小売側の疑心暗鬼

検査体制の問題と出荷後の変性によるTHCの検出の懸念から、小売業者側も慎重な姿勢となっています。

せっかくルールができたのに、そのルールが厳しすぎることによる影響やリスクなどを考慮して前に進めない状況になっています。

小売業者は、THC検出問題が発生した場合の責任を負いたくないため、CBD製品の取り扱いに慎重になっています。

既存の大手流通業者(ドラッグストアやスーパーやコンビニなど)は、安全性や法的リスクを重視するため、CBD製品を扱うことに消極的です。

これにより、CBD市場の成長が大幅に制限され、一般消費者が安心してCBD製品を購入できる環境が整わない状況です。

このように、「CBDは合法である」というルールは確立されたものの、極端に厳格な規制基準、法的リスク、流通業者の慎重姿勢が相まって、市場が活性化するどころか、むしろ停滞してしまっているのが現実です。

金融機関による引き締めや配送の問題

CBD市場の安定成長にとって、資金調達や海外送金を支える金融機関の協力は欠かせない要素です。

かつては「CBDはグレーゾーンだから」という理由で、銀行や信用金庫といった金融機関による口座開設や融資は極めて困難でした。特に海外送金においては、CBD製品が含まれる取引であることを理由に、大手行での送金が拒否される例も珍しくありませんでした。

2023年の法改正、そして2024年の施行によってCBDが明確に「未規制成分」となった今、こうした金融機関の対応も緩和されることが期待されていました。

しかし、ふたを開けてみると、状況はむしろ以前よりも厳しくなっている印象すらあります。

原因は金融機関側から明確になっていませんが、そもそも法改正によりどのような形になったのかが不明確で理解されていないように思います。

次に、精神作用を有する合成カンナビノイドに関するイメージの悪いニュース(大麻グミなど)が飛び交い、それらを「CBD」と偽って輸入したり、CBD関連製品として輸入されていることで、カンナビノイド製品全体に対して「やりとりをする上で危険な物質である」という認識があるのかもしれません。

法改正についても、CBDが一定の自由化を果たした、というよりは大麻の規制がより厳しくなったという報道が先行し、イメージ的にも変化したとは言えません。

法的に「良いCBD」と「悪いCBD」との判別が銀行での判断が簡易でない以上、全体として引き締めを行っているという現状になっています。

ともかく、これらの理由から、金融機関としては「CBD全体をリスク物件」として一括りにし、取引を抑制する方向へ動かざるを得ない状況になっていると推察されます。

配送に関しても同様の傾向が見られます。

DHL、FedEx、UPSなどの大手国際配送業者は、CBDやカンナビノイド製品を明確に禁止物扱いとしており、日本国内でも輸入対応が可能なフォワーダーや通関業者(乙仲)はごく限られた存在です。

結果として、CBDの輸出入における物流網は法改正前後で大きく改善されることはなく、むしろ国際的な規制強化や密輸の取り締まり、企業方針によりさらに厳しくなっているように感じられます。

次ページ > 解決策のカギは業界団体にあり

ForbesBrandVoice

人気記事