迅速なキルチェーン
当時、ロシア軍はウクライナで衝撃的な撃破を重ねていた。ヘリ2機の撃破に先立つ1週間ほどの間に、ロシア軍はウクライナ軍のHIMARS、パトリオット地対空ミサイルシステムの発射機をそれぞれ初めて撃破した。
これらの戦果は、ロシア軍のドローンと大砲のネットワーク化された「キルチェーン」が急速に向上していることを示していた。ドローンが前線の後方深くで目標を探知し、その連絡を受けた大砲が目標の移動前にすばやく攻撃することが可能になっていた。
もっとも、高速で作動するキルチェーンはウクライナ軍も整えており、それが今回、ベルゴロド州に対する攻撃で劇的に発揮された格好だ。3年1カ月にわたる激戦の間に、ロシア軍はヘリコプターを120機ほど失っている。月に3〜4機の損失ペースだ。ウクライナ軍のHIMARSによる攻撃で、ロシア軍は1カ月分のヘリコプターの損失を一度に被った。