クリーニングが保険適用という認知の低さ
「治療目的での歯のクリーニングは保険が適用されることを知っていますか?」という問いに対して、「知っていた」と答えた人は93人で半数に満たなかった。一方で107人は「知らなかった」と回答しており、保険適用の周知が不足していることがわかった。実は2020年4月の診療報酬改定により、治療目的の定期的な歯のメンテナンスは保険適用対象になっているのだが、そのことを知らない人も多く、「クリーニング=自費」と考えている人もいるのかもしれない。

調査結果では、ホワイトニングとクリーニングの違いについても触れられている。ホワイトニングは歯を白くすることを目的とした審美的な施術であり、保険適用外だ。一方、クリーニングは歯垢や歯石、着色汚れを取り除き、口腔内の健康維持を目的とするため、治療目的であれば保険適用となる。もしかしたらホワイトニングとクリーニングを混同している人もいるのかもしれない。
歯科クリーニング市場は、予防医療への関心の高まりとともに拡大が期待されている。しかし、今回の調査結果からも明らかなように、クリーニングが保険適用であることの認知の低さや、保険診療と自費診療の明確な違いを患者サイドがわかっていないことが気になる。
口腔ケアの習慣は虫歯や歯周病の発見だけでなく、もっと重要な病気を防ぐことにもつながることが昨今話題になっている。虫歯や歯周病が進行すると歯茎の炎症から細菌が血管内に侵入し、脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病などの重大な病気のリスクを高める可能性があるからだ。歯の健康だけでなく全身の健康を維持するためにも、歯科クリーニングを定期的に行うことをお勧めしたい。