マイクロプラスチックが日常の生活必需品に含まれていることは、多くの人が耳にしているだろう。飲み水から衣類まで、マイクロプラスチックは至る所に浸透しているようだ。
だが、お気に入りのガムにプラスチックが含まれているかどうかについては、恐らくほとんどの読者は考えたことがないだろう。多くのガムには「ガムベース」と呼ばれる成分が含まれており、この中にポリエチレンやポリ酢酸ビニルなどの合成物質が含まれていることがある。
活動家らは、消費者には自らが消費するガム製品について十分な情報を得る権利があり、プラスチックを含まない代替品の選択肢があるべきだと主張している。英環境保護団体シティートゥーシーは、プラスチックを含有しないガムを製造する英ヌードガムと協力し、英政府にプラスチック含有ガムの禁止を求める運動を開始した。
同団体によると、英国では年間約40億個のプラスチック含有ガムが消費されており、プラスチック製のストローに換算すると約40億本分に相当するという。同国では1日当たり、バス1台分に相当する12トンのガムが消費されている。
ヌードガムを設立したキア・カーニーは筆者の取材に対し、市販のガム1個につき「ストロー1本分の使い捨てプラスチックが潜んでいる」と答え、「普通にガムをかんでいるだけで、知らず知らずのうちにプラスチックの大きな塊をかんでいるのだ」と警告した。ガムベースに含まれる化学成分は、シャンプーの容器やレジ袋、接着剤などにも含まれているという。カーニーは、歩道に捨てられているガムが埋立地に処分されたり、圧力洗浄されて小さな粒子となり、排水溝に流れて最終的には水道の循環システムに混入したりする可能性を示唆。マイクロプラスチックが深刻な病気とも関連付けられていることを指摘し、注意を促した。
シティートゥーシーのジェーン・マーティン最高経営責任者(CEO)も、ガムをかむことはプラスチックのストローをかむようなものだと指摘。「ガムに含まれていたプラスチックはマイクロプラスチックに分解され、体内に吸収される。これが肥満や不妊、がんなどに結び付くという科学的証拠も示されている」とした上で、英国は国民の健康と地球を守るために、プラスチック含有ガムに反対する立場を取るべきだと主張した。