英国で慈善団体プラスチックプラネットなどを設立したシアン・サザーランドは、消費者がガムに含まれる化学物質について知ることができれば、ガムを口にすることはなくなるだろうと指摘。代替品があるにもかかわらず、多くのプラスチック含有ガムが子ども向けに販売されていることに、消費者は「憤慨」すべきだと訴えた。
他方で、同じくプラスチックを含有しないガムを製造する英ミリウェーズを立ち上げたトム・ラビブは、この運動を称賛しつつも、現状ではプラスチック含有ガムを全面的に禁止できるほどの原材料や設備はないと考えている。それを踏まえ、原料に石油由来のプラスチックを使用するガム製造業者に「プラスチック税」を導入するよう、英政府に求めたことがあると明かした。同時に、植物由来のガムに課されている20%の付加価値税(VAT)を廃止するよう求めているという。
筆者の取材に応じたラビブは次のように語った。「私たちがやろうとしているのは、多くのプラスチック含有ガムがマイクロプラスチックやナノプラスチックの形で川や海に流れ、いずれ私たちの体内に入り込むという事実を強調することだ。ミリウェーズが成し遂げたように、業界全体が国際指針に沿って生分解性と100%植物由来の認証を取得することを望んでいる。そうすれば、消費者と小売業者は自分たちが何を売買しているのかを知ることができるようになる」。その上で、立法機関が最低限これを義務付けるべきだとの考えを示した。
環境に配慮した梱包材の製造を手がける英タイニーボックス・カンパニーを設立したレーチェル・ワトキンは、たとえ適切に廃棄されたとしても、プラスチック含有ガムは埋立地に永久に残ると指摘する。さらに、多くのガムはプラスチック材で包装されており、環境への影響は大きいという。「ガムをかんで捨てるたびに、私たちは知らないうちにプラスチック汚染の拡大を助長している。これは残念な状況だが、英国の人々はまだあまり理解していない」


