人事業務のDXにはどれほどの効果があるのか。効果がわからない、難しそうなどの理由で人事業務用デジタルツールの導入を迷っている企業は多い。そこは、実際に導入した人たちに聞くのがいちばんだ。調査では驚きの結果が示された。
中途採用サービス「ミイダス」を運営するミイダスは、中小企業で人事領域のデジタルツール選定に関与し、現在を2つ以上のツールを使っている人事担当者217人を対象に人事ツールの活用と業務効率化に関する実態調査を行った。ツール導入の目的は、人材採用の効率化、人事情報の一元化、業務の可視化や標準化などだが、結論から言うと、導入の結果、8割以上の企業で効率化が進んでいた。これに対して、ツールを導入していない企業の担当者212人に聞いたところ、効率化が進んでいるとの回答は3割に満たない。

人事ツールを導入していない企業の担当者に理由を尋ねると、「予算がない」がトップだが、ほぼ同じ割合で「導入効果が不明確」が2位となった。さらに、運用負担が増えそう、使いこなせるか不安、初期設定が面倒などの回答が寄せられた(複数回答)。自由回答では、現状で不満がない、必要性がない、上司の許可が下りない、既存システムとの互換性が保てるかわからない、望む結果が得られるかわからず様子を見たい、といった意見も聞かれた。

実際、人事ツールを導入した企業も、導入前には不安があったと答えた担当者が8割を超えている。理由は、システムの操作が難しい、使いこなせるか不安、初期設定が面倒など、導入していない担当者に聞いた理由とそう変わらない。スタートラインはみな同じだったということだ。

そして導入後、それらの不安はどうなったか。導入前の不安に関する質問で「導入コストが高い」と答えた人以外に聞いたところ、約6割は「想定したほどではなかった」と答えている。想定と変わらないという人が3割ほどいるが、効果はテキメンに表れている。