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働き方

2025.02.23 11:15

求職者は多いのに人材不足 雇用が進まない原因はどこに

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人手不足が叫ばれて久しいが、企業にはなかなか人が集まらない。一方、就職したくてもできずにアルバイトで暮らす人も多い。いったい何が雇用の邪魔をしているのだろうか。

人事専門誌「日本人材ニュース」を発行する日本人材ニュース社は、主要な人材コンサルティング企業34社の事業責任者を対象にアンケート調査を実施した。それによると2025年の雇用情勢は、新卒、中途、アルバイト、パート、派遣のすべてにおいて、「よくなる」または「ややよくなる」と答えた人が66パーセントにのぼった。とくに中途採用、つまり高度な経験やスキルを持つ人材の需要は高く、採用者数は「増加」と「やや増加」との答えが88パーセントとなっている。
2025年、日本の雇用情勢と人材採用の増減。

2025年、日本の雇用情勢と人材採用の増減。


ところが人材確保はなかなか難しい。ジェイック執行役員の古庄拓氏は、新卒は少子化の影響で売り手市場が加速すると指摘。彼らが好むのは個を大切にする企業で、いわゆる「ゆるい職場」は敬遠されるとのこと。ゆるい職場とは、ワークライフバランスを重視した働きやすい職場環境を意味するが、成長を求める若い人たちには人気がないようだ。「成長できる職場であることを学生に伝えられない企業は採用が難しくなる」と日本人材ニュース社は述べている。

転職市場では、企業が求めるスキルや経験を持つ人材が少なく「需給がバランスしていない状況」が続いているとアクシスコンサルティング社長の伊藤文隆氏。また求職者は、企業文化、環境、目指す技術での成長を重視する傾向が強く、そこに企業とのギャップがあり採用難を引き起こしているとアイムファクトリー取締役の平山穰一郎氏は話す。

さらにキャリア・デベロプメント・アソシエイツ社長の田辺晃氏は、全社的な採用体制と能力開発施策が一体となった人材確保の取り組みが重要だが、経営層や現場も含めた就職環境の変化や人材の条件緩和がなかなか認められず人材確保に苦戦する企業があると言う。そのため、「社内に人は余っているが、その人たちのリスキリングが進まないため、必要な人材は外部より調達するしかないという矛盾」すら生じているとのことだ(みらいワークス社長、岡本祥治氏)。

この調査から、職を求める有能な人がいるのに企業側の受け入れ体制が整っていないという、なんとも残念な状況が見えてきた。日本人材ニュース社は、企業側の発想の転換が必要だと話している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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