乗客が「機内中に下痢」 米旅客機、離陸直後に引き返す

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先週、336人の乗客を乗せて米アトランタからスペイン・バルセロナに向かっていた米デルタ航空の旅客機が、乗客の1人が「機内中で下痢」をするトラブルに見舞われ、出発地へのUターンを余儀なくされた。

この問題は1日、デルタ航空194便で発生。同社の担当者は、離陸後まもなく「機内での医療問題」が起きたと説明している。報道によると、乗客の1人が下痢に見舞われたのだという。単なる軽い下痢ではなく、機内の広範囲が排泄物で汚されるほどの激しさだった。

これほど大量の下痢は、アロマキャンドルやお香で簡単にごまかせるものではない。たとえ臭いを消せたとしても、他の乗客や乗務員にとっては有害なものとなる。実際、X(旧ツイッター)に投稿された連邦航空局(FAA)の運航票(ストリップ)には、機内で「バイオハザード(生物災害)」が起きたと書かれている。さらにパイロットも、離陸後2時間ほど経った時点での交信の録音で「バイオハザードの問題だ。機内中に下痢をした乗客がいたので、アトランタに戻ってほしいとのことだ」と説明している。

Xにはさらに、事後の機内を映したとみられる動画も投稿され、客室の通路にペーパータオルなどの紙製品が敷かれ、茶色い液体が一部覆われている様子が映っている。

下痢便は、有害廃棄物に分類されるものだ。下痢便には、下痢を引き起こした可能性のある病原体を含むさまざまな細菌が含まれており、漏れた場合にはできるだけ早く除去し、周囲を消毒したほうがよい。こうした病原体は、糞口経路(つまりは便が口に入ること)を通じて人から人へと広がる可能性がある。

自分の便が下痢かどうかわからないという人はいないだろうが、世界保健機関(WHO)は下痢を正式に定義している。それによると、ゆるい便または液体の便が1日に3回以上ある場合、下痢が起きているとみなされるという。

下痢は、便がお腹の中を通過する際、腸が便に含まれる水分を十分に吸収できない場合に起こる。また、腸が何らかの刺激を受け、通常より激しく収縮したり痙攣したりする場合にも起こる。そのほかにも、腸が水分を分泌して便の量を増やしている場合にも起きる。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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