しかし、このマーケティング戦略には、リスクも伴う。2023年11月、兄弟はロサンゼルスに渡り、多数の有力候補と契約する予定だったが、トップクラスの3人に直前でキャンセルされてしまった。この契約の交渉は、約2カ月をかけたものだったという。さらに、年間売上の90%以上がホリデーシーズンに集中するため、過去2年間はこの時期にそれぞれ300万ドル(約4億4000万円)の借り入れを行い、資金繰りを行ってきた。
1億ドルで事業売却目指す
それでも結果は出ている。2023年のロサンゼルスへの旅で、エリクソン兄弟はコーヒーミーティングからステーキディナー、さらにはビバリーヒルズのジェントルマンズクラブにまで顔を出し、最終的にトム・ブレイディとの契約を獲得した。また、ABCの人気番組『The View』に出演する機会も得た。
「私たちのビジネスモデルは、第4四半期に極端に依存しているため、細部まで完璧にこなすことが大切だ。このプレッシャーの中で、毎年の結果を出し続けるのは大きな挑戦だ」とヴィクターは語る。
2025年に彼らは売上高1億ドル(約147億円)を目標としている。そのために、アプリのマネタイズや大手小売店での販売、新商品の投入を計画している。
より長期的なゴールとして、2人は最終的にBoxbollenを売却することを視野に入れている。その目標に向けて4年前には15%の株式を非公開額で売却し、戦略的パートナーを迎え入れた。売却の時期は未定だが、「少なくとも1億ドル(約147億円)以下で売るつもりはない」とエリクソンは語った。