2. 解決できない問題もあることを受け入れる
良好な関係を築くためには、意見の相違をことごとく解決しなければならないと考えがちだ。しかし実際には、ほとんどの対立に万能な解決策はない。実際、ゴットマンの研究では、カップルの対立の69%は永続的であり、性格や価値観、ライフスタイルの根本的な違いから生じていることがわかった。
重要なのは、それらの違いはどんなに努力しても簡単に消えるものではないということ。上手くいっているカップルとは、あらゆる問題を「解決」するカップルではない。変えられないことではなく、変えられることに重点を置き、違いを上手に管理する方法を学んでいるカップルのことだ。
例えば、あなたが社交的な性格である一方で、パートナーは孤独や休息を好むタイプだとしよう。この違いは解決できるものではない。あなたが外出を突然止めることはなく、パートナーが急に人出の多いイベントを好むようになることもない。
しかし、それぞれの求めていることを尊重しながら、相反する要素を上手く管理することはできる。互いの違いを恨んでも、ふたりの仲は壊れるだけだ。例えば外出する夜とふたりで静かに過ごす夜を設けるなど、双方が受け入れられる妥協点を見つけることが解決策になる。
解決できない問題は破局原因にはならない。だが、問題への対処の仕方によっては、別れにつながることもある。長続きするカップルは、対立が相性の悪さを意味するものではないと理解している。意見の相違を、何かが間違っていることやふたりの関係が壊れていることの兆候だと見なすのではなく、忍耐と尊重の気持ちを胸に歩いていけるふたりの関係において、自然な側面だと認識をしている。
3. 常に修復を試みる
一般的に信じられていることとは逆に、破局を招くのは対立そのものではなく、対立の副産物、つまりわだかまりだ。どんなカップルでも喧嘩をするが、関係を維持しているカップルは緊張を和らげる方法、そして最も重要な「よりを戻す」方法を知っている。
ここで注目したいのが、修復の試みだ。ゴットマンによるとそれは対立を和らげ、共に乗り越えていこうという意思を示す言葉、またはジェスチャーのことだ。
謝罪や安心感を与える触れ合い、ちょっとしたユーモア、あるいはシンプルに「喧嘩はしたくない。やり直そうよ」と言うなど、修復の試みにはさまざまな形がある。重要なのは、その背景にある意図だ。たとえ意見が食い違っても、自分は敵ではないことを相手に伝える必要がある。
パートナーとの激しい口論を想像してほしい。あなたは誤解されていると感じ、会話は険悪な雰囲気になり始めている。あなたは自分の感情に集中したり、会話の最終目標、つまり問題の解決にフォーカスしたりするだろう。しかしそこですっと手を伸ばして相手の腕を取り、「愛している。こんな風に喧嘩をしたくない」と伝えるだけで、ふたりの雰囲気は一変するだろう。
この方法で意見の相違が消えるわけではないが、何が大事かを再考する時間は手に入る。つまり、愛情は会話そのものより価値があるということを思い出すチャンスを得られるのだ。
修復を成功させる鍵は、お互いがその試みを受け入れる意思をもつこと。一方が和解しようと歩み寄っても、相手がそれを拒絶すれば、緊張は長引くばかりだ。だが、互いが立ち止まって歩み寄りの意味を理解し、修復を目指して取り組む努力をできるのであれば、どんなに激しい対立でもうまく収められるだろう。