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サイエンス

2025.03.09 10:00

誰にでも起こり得る3種類の「燃え尽き」と、そこからの脱出法

Kaspars Grinvalds / Shutterstock

Kaspars Grinvalds / Shutterstock

「燃え尽き」とは、好むと好まざるとにかかわらず、誰もが人生のどこかの時点で直面するものだ。燃え尽き状態に陥ると、極度の疲労を感じ、そこから抜け出せなくなる──たとえ、やるべきタスクをすべて終えたとしても。

燃え尽きは極度の疲労状態とイコールではない。疲労とは自らの限界に達し、もう一歩も先に進めないという状態だ。一方、燃え尽きは限界に達した後も自分を追い込み、数日、数週間、数カ月、場合によっては数年間も、そのまま進み続けた時に発生する。

さらに悪いのは、通常ならタスクをやり遂げた時に得られる達成感が、燃え尽き状態では失われてしまうことだ。燃え尽き状態の人は「もっとやりたい、達成したい」という気持ちにせき立てられるのに、「もう何もやりたくない」という無力感も抱えている。

もうすっかり気力も失せているのに、前進することをやめられず、さらに進めないことを恥に思うという、本当に厄介な状態だ。

燃え尽きの3つのタイプと、その違いについて解説しよう。

1. 手を広げすぎたための燃え尽き

やるべきことが多すぎて圧倒されてしまったり、タスクをいつまでも先延ばししたりすることが多くないだろうか? そういう人は、手を広げすぎたための燃え尽きに陥っている可能性がある。

このタイプの燃え尽きは、あまりに多くの物事を引き受けた時に起こる。タスクやコミットメント、期待など、やらなければならないことが多すぎて、心身両面で気力が奪われてしまうのだ。これは、仕事量があまりに多い上に、自他を問わず、高い期待に応えようというプレッシャーを常に受けていた結果として生じることが多い。

仕事に関しても、職場での責任があまりに重く、献身的努力と極度の疲労の境界線が曖昧になっているときには、このタイプの燃え尽きが起こりやすい。学術誌Anxiety, Stress, & Copingに2013年に掲載された研究論文で、自分の能力を超えた仕事を引き受けると感情的な疲労を引き起こすことがわかっている。

雇用主の側はこれを献身的な働きと見るだろうが、このような状況では従業員のウェルビーイング(心身の健康と幸福)が損なわれるおそれがある。これは特に、当の社員が自分の仕事に不満を抱いている時に顕著だ。

手を広げすぎたための燃え尽きの兆候には、感情的な疲労を覚える、怒りっぽくなる、集中できない、といったものがある。これらはいずれも、仕事とプライベートの両方に影響を与えかねない症状だ。燃え尽きが気づかずに放置されると、生産性の低下や人間関係のあつれきを引き起こし、全体的なウェルビーイングに深刻な悪影響を及ぼすおそれがある。

次ページ > 2. 気力が尽きて起こる燃え尽き

翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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