栃原:これまでいろんな場所で作っていました。
一番最初は、お試し住宅の2LDKのリビングで作っていました。そこからファミリーアパートのスタディルームで作るように。子どもを寝かしつけた後22時に起きて、そこから朝まで作るような生活でした。
藤田:その時はまだ仲間がいなかったんですよね。
栃原:まだ一人でやっていました。1日に10個は作らないと追いつかないような状況だったのですが、その生活では流石に身体が悲鳴をあげて、全身が痒くなってしまったんです。もうダメだということで、いつも行っていた郵便局で「誰か手伝ってくれる人がいないかな」と相談したところ、今一緒に働いているスタッフを紹介してもらいました。すぐに入ってもらってから、仲間がぽんぽんと増えていきましたね。

自分だけのジュエリー作りのこだわりに寄り添う
栃原:始めた当初は「母乳ジュエリーって何?」みたいな怪しさを感じている方が多かったと思います。怪しいと思いながら、このくらいの価格なら作ってもらってダメでも諦めがつくなと注文してくださっていたのかな。
藤田:本当に腐らないのか?という意味で怪しさがあったのでしょうか。
栃原:そうですね。歴史がないので、こちらも何も言えなかったんです。現在は岡山理科大学さんのご協力もあって、品質の保証ができるようになりました。創業当時の4、5年前の商品についてクレームをいただいたこともありません。
山田:フルオーダーでジュエリーを作るのはすごく大変だと思います。
栃原:こだわりが細かい方もいらっしゃいますが、世界に一つだけ・自分だけのものを作るのであれば当たり前だと思います。細かく作り込みたいじゃないですか。そのコミュニケーション自体も楽しいと思っていますね。
会社が大きくなることは、仲間が増えること
藤田:Solid Loveが大きくなっていくことをどう感じていますか?
栃原:スタッフが増えているという意識ではなく、仲間が増えていっている感覚です。だからやっぱり嬉しいですよね。届けられるお客様も増えていますし。
喜びの声もすごくいただいています。母乳を送ってもらう時に手紙を同封してくださる方もいたり。どんなふうに育ててきて、どんな思いがあるからSolidLoveに作って欲しいと思っているとか。半年以上迷いながら商品を決めて送ってくださっていることすごくやりがいにつながるので、全員にシェアするようにしています。
山田:10年前にはなかった文化が、子どもが生まれる時には作ると言う選択が当たり前にあるような状況になってきているのでしょうか?
栃原:感じるようになってきました。妊婦さんの時から知っている方や、未婚でも知ってくださっている方もいます。SNSをきっかけに知ってくださっていて、今は特に広告を使っていません。
これからは、母乳ジュエリーの協会をしっかり作っていきたいと考えています。少しずつアーティストの方も増えていますが、そんなにクオリティが高くないこともあり。買ってくれたお母さんが子どもに母乳ジュエリーを渡し、子どもが感動して自分の子どもができた時に作りたいと思う文化を作っていく中で、粗悪なものが入ってしまうと文化にならないんです。
検定等も作りたいと思っていますし、繋げていくためにもクオリティを担保できるようにしたいと考えています。