瀬戸内エリア内外の起業家やアトツギをゲストに招き、瀬戸内・中四国特化型ベンチャーキャピタル「Setouchi Startups」の共同代表、藤田圭一郎と山田邦明がVC目線でゲストのビジネスストーリーを深掘りします。
今回は、音楽×ITのスタートアップであり、楽曲や効果音などの音楽作品を販売するサービス「Audiostock」を運営するオーディオストッ代表取締役社長の西尾周一郎さんをゲストにお迎えした回をご紹介。
自身が音楽家を目指した過去から生まれたサービスは、現在音楽という枠組みを超えてクリエイターを支えるサービスに拡がっています。実際に届いたユーザーの声をどう受け止めているのか、これから見据えているサービスの展開についてお話しいただきました。併せて、岡山や瀬戸内への還元の仕方について「教えて瀬戸内VC」のコーナーからお届けします。
強みはITシステムとクリエイターネットワーク
藤田:岡山のスタートアップを代表するオーディオストック代表取締役の西尾さんです。よろしくお願いします。西尾:よろしくお願いします。オーディオストックの西尾です。
私自身は元々音楽家を目指して学生生活を送っていたので、音楽家を応援したいという思いが強かったんです。尚且つ、インターネットやITも好きだったため、ITと音楽を掛け合わせることでクリエイターを応援しようと創業しました。
音楽のライセンス販売サービス「オーディオストック」を運営していて、取扱点数が先日100万点を突破しました。3万組以上のクリエイターが作ったものをサービスでお預かりして販売をしています。
利用ユーザーの7割から8割ほどが映像のお客さんです。YouTubeやテレビ番組、広告などからゲームやイベント、店内BGMでご利用いただいています。うちの取り分をいただいた上で、音楽クリエイターにお金を還元しています。
クリエイターが作った作品の販売が基本的なケースではありますが、弊社で制作することにも力を入れています。例えば、尺八と琴のような和楽器の作品は一般的なクリエイターの方が少ないため、和楽器の演奏家に来ていただいてコンテンツを制作しているんです。
藤田:和楽器のコンテンツは海外の方に利用いただくことが多いのでしょうか?
西尾:海外の方の利用も増えていますし、海外の方に見てもらうためのコンテンツでの利用も多いですね。
インバウンド需要から、観光業界の方がインバウンド顧客向けに日本の観光地やグルメ、文化を紹介するビデオがたくさん作られています。そういったところで和を感じるような楽曲が取り入れられていますね。
藤田:欲しい音源のリクエストに応える制作チームはあるんでしょうか?
西尾:「こんな楽曲が欲しい」という要望に対してのオーダーメイドには対応していません。うちの強みは制作ではなく、ITのシステムとクリエイターのネットワークにあると思っているからです。
ただ、今求められている楽曲やトレンドをキャッチしながらクリエイターの方に定期的にメールマガジンを送っています。