瀬戸内エリア内外の起業家やアトツギをゲストに招き、瀬戸内・中四国特化型ベンチャーキャピタル「Setouchi Startups」の共同代表、藤田圭一郎と山田邦明がVC目線でゲストのビジネスストーリーを深掘りします。
今回は、瀬戸内のスタートアップや後継ベンチャーなどが集う中四国地方最大級のスタートアップイベント「BLAST SETOUCHI 2024 in 大分」の実行委員を務めるOMOYA(大分市)代表取締役社長の猪熊 真理子さんをゲストにお迎えした回をご紹介。
瀬戸内であるという認識が少ない大分県で瀬戸内のイベントを行う背景や込められた思い、11月29日、30日に開催された「BLAST SETOUCHI」の特色をお届けします。
(動画配信時はイベント開催前だったため、本記事は編集しています。)
BLAST SETOUCHI大分 越境によるイノベーションを起こす
猪熊:女性活躍に取り組みたい企業のコンサルティングなどを手がけるOMOYA代表の猪熊 真理子と申します。今日は瀬戸内の西の端である大分から来ました。去年、藤田さん山田さんのお二人と岡山の実行委員の皆さんが主催されていたBLAST SETOUCHIを、今年大分で開催します。元々は2年前に愛媛で立ち上がり、去年が岡山、今年は大分ということで、毎回主催が変わるって結構珍しい方式なんですよね。企画から運営、スポンサー集めまで実行委員が主催で頑張ってやっております。
今回の大分での開催では、ソーシャルイノベーション、特に地域発のイノベーションや地域課題などの社会課題の解決に注目しています。いわゆる急成長型のスタートアップだけではなく、領域をかなり広げてるんですよ。
だから、逆に来られる方もどういうテーマでやるのか若干わかりづらくなってるところもあると思います。地域おこしのような地域創生に興味がある方も、いわゆるスタートアップも、アトツギベンチャーもいらっしゃいます。
藤田:「ソーシャルイノベーション」というテーマはなぜ入れたんでしょうか?
猪熊:今回、夫と一緒に主催をしています。夫の会社で大分県のアクセラレーションプログラムを運営しており、その中で応募してくる方々の8割から9割は「地域課題を解決したい」「社会課題を解決したい」という方々なんです。これが大分の特性でもあるのかなと感じていて。いわゆる社会起業家も昔であればNPOや社団法人、財団法人の形しかなかったものが、株式会社として事業化することでサステナブルな形でやる方も増えていますよね。そんな背景があり、今回はソーシャルイノベーションというテーマにしました。
越境によるイノベーションは別に大分で始まったことではありません。岡山の時も、愛媛の時もそうだったと思います。BLAST SETOUCHIでは、スタートアップやベンチャー企業、アトツギ、行政の方々や金融機関、ベンチャーキャピタルファンド、地場企業や学生など様々な方がいらっしゃいます。コミュニティに拘らずに混ぜてしまうことがすごく大事だと思っているし、コミュニティを越境するからこそ生まれるイノベーションや、新しい事業、新しい地域課題解決のあり方ができるとも考えているんです。