欧州

2025.03.06 09:00

ウクライナのドローン、ロシアの石油関連施設5カ所を連続爆破

Shutterstock.com

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ウクライナのドローン(無人機)は3日から4日にかけての夜、ロシア南部や中部、ウクライナ東部のロシア占領地域にあるロシアの石油関連施設少なくとも5カ所を攻撃した。

一連の攻撃は、ウクライナがロシアの最も重要な産業をターゲットに1年半以上にわたって続けている長距離打撃(ディープストライク)作戦でも最も大規模なもののひとつであり、過去最大級の損害を与えた可能性もある。エストニアのアナリストであるWarTranslatedは「生産的な夜だった」と評している

ウクライナ軍参謀本部の発表や無人システム軍の報告などによると、以下の施設がドローンで攻撃された。

・ウクライナの前線から約130km離れたロシア南部ロストフ州チェルトコボ付近のクイビシェフ・リシチャンシク石油パイプライン
・同前線から約160km離れたロストフ州ソフラノフカ付近のガスパイプライン
・同前線から約190km離れたロストフ州ノボシャフチンスクにある製油所
・同前線から約800km離れたロシア中部サマラ州シズラニにある製油所
・同前線から約160km離れたウクライナ東部ルハンシク州ロベニキーにある燃料貯蔵施設

うち少なくとも2つについてはロシア側の情報源も攻撃を認めている。ウクライナ軍参謀本部は「各施設の被害に関する詳細は確認中」だとしている。

ウクライナ軍のドローンに特化した独立兵科である無人システム軍は、繰り返し攻撃を受けているシズラニの製油について今回の攻撃前時点の被害を評価している。同軍によると、この製油所はもともと年間890万tの石油精製能力があったが、再三攻撃を受けた結果、2024年の実際の石油精製量は430万tほどに落ち込んだという。

ウクライナのドローンは前日の2日から3日にかけての夜、ウクライナとの国境から1500kmかそこらも離れたロシア中部バシコルトスタン共和国ウファにある製油所も攻撃していた。

2月下旬には、ウクライナのドローンは国境から500km近く離れたロシア西部リャザニ州リャザニにある製油所を再び攻撃し、ウクライナの防衛戦略センター(CDS)の報告によると蒸留設備がある区画で火災が発生した。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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