爆撃ドローンを運用するチームは通常、日没直後ごろから前線に展開し、毎晩、爆弾投下や地雷敷設といった任務を複数回遂行する(有人機の場合、1日1ソーティーが一般的だ)。チームは頻繁に攻撃目標にされる。ロシア側は無線信号から操縦士の位置を特定しようとすることもあれば、自軍のドローンに爆撃ドローンを追尾させることもある。砲撃や空爆で狙われやすいので、運用チームはたびたび陣地を変える必要がある。
Elsewhere on the front, soldiers from the FPV bombing group are launching smaller drones to hit Russians soldiers who have attempted to close in on Ukrainian positions and begun digging in. Yevhenii, whose callsign is “Bird”, puts on his immersive goggles and takes control. “We… pic.twitter.com/47DAaqYfAp
— David Kirichenko (@DVKirichenko) September 19, 2024
確認が難しい撃破
この戦争のあらゆる戦闘動画を分析し、集計し、位置を特定しているOSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアは、夜間爆撃ドローンの有効性は著しく過小評価されていると考えている。ロシア軍の損害の評価は、視覚証拠から正確で重複のない損害確認を行っているOryxやWarSpottingのような情報源に依存している(筆者も先日、まさにそうしたやり方でFPVドローンによる撃破率を調べた)。
パーペチュアは、爆撃ドローンによる撃破の様子は上空からサーマルカメラで撮影されるので、目標の装備の種類を特定するのが難しいとX(旧ツイッター)への投稿に書いている。爆撃ドローンによる爆撃でも劇的な爆発はよく起こるものの、日中の場合のように結果がすぐ見えるわけではないので、直後には確認できない場合もある。
「損害の集計者たちが用いている手法はずいぶんと保守的で、現時点で入手できるような映像をうまく扱いきれていない。その結果、現実を反映するのが遅れがちだ」とパーペチュアは指摘している。
爆撃ドローンによる損害は、日中の画像で確認されて初めてリストに載ることになる。したがって、そこにはタイムラグがあり、しかも画像からは、何によって撃破されたり損傷したりしたのかを示す手がかりを見いだせないケースもある(それでも筆者の調査では2024年10〜12月、爆撃ドローンは大砲や誘導ミサイルよりも多くロシア軍のT-90M戦車を撃破していたことがわかった)。