営業やマーケティングに特化した自動化ツールとしては、時価総額が35億ドル(約5470億円)のZoominfo(ズームインフォ)が提供するものや、その他のスタートアップのツールが知られており、この分野の競争は激しいが、Clayとその投資家たちは、他のプレイヤーが模倣ツールをリリースすることを心配していない。
OpenAIの市場参入システムの責任者であるキース・ジョーンズは、彼のチームがClayを使用して日々のB2B販売戦略のテストや新しい手法の導入を行っていると語った。「私の意見では、彼らはAIを活用した最も実用的でエキサイティングなアプリケーションのひとつを提供している。それは長い間停滞していた分野に新風を吹き込むものだ」と、彼は述べている。
現在の社員数が95人のClayが今後、より大規模な組織内でそのユースケースを拡大する上では、競合との戦いに直面する可能性もあるが、すでに同社のツールを使用している顧客を、Clayから引き離すのは難しいだろうと今回の調達を主導したMeritechのアレックス・カーランドは語った。「もはや営業担当者とのステーキディナーや飲酒を伴う接待に頼りたがる企業はいない」と彼は述べた。
一方、アミンは会社の最大の強みがその創造性とコミュニティにあると考えている。Clay は、1万8000人以上のユーザーを抱えるSlackチャンネルを運営し、90以上のコンサルティング会社がClayのツールを活用したサービスを提供するなど、独自のエコシステムを構築しているが、アミンは、その背景にClayが、そのコミュニティと共に新機能を開発していることを挙げている。
ニューヨークにあるClayの本社には、社員たちが音楽の制作に取り組むための部屋があり、アミン自身もエンジニアの一人からDJの基本を学んでいる。そのため彼は、Clayの取り組みを、異なる音楽のビートに合わせてコラボレーションを行っていくプロセスに例えてこう話す。
「音楽ソフトウェアの場合は、深く掘り下ていけば、よりパワフルなものが生まれる。私たちはClayをそんな存在にしたいと考えている」
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forbes.com 原文)