TSAは、銃器を持って安全に旅行する方法を旅行者に伝える「準備、荷造り、申告(Prepare, Pack, Declare)」と呼ばれるキャンペーンを2024年に実施したが、効果はあまりなかったようだ。TSAのデビッド・ペコスケ長官は声明の中で、「検問所での押収が1丁でも多過ぎる」と述べている。
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港の保安検査場では、2024年にTSA職員が440丁の銃器を押収した。これは前年より11丁少ないが、それでも全米の空港で最多だった。2位はダラス・フォートワース国際空港で、2023年よりも12丁多い390丁だった。
トップ5に入ったその他の空港は、ヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港(272丁、前年は311丁)、フェニックス・スカイハーバー国際空港(247丁、前年は235丁)、ナッシュビル国際空港(188丁、2023年から変化なし)だった。
増加が続く空港での銃器の押収
米国の空港で押収された銃器の数は、過去10年間で152%増加した。TSAによると、航空旅客数は2015年の7億800万人から2024年には9億400万人と、28%増加しているという。この傾向について、TSAは過去に、全米ライフル協会(NRA)が推進する、無許可で銃を携帯できる法案を可決する州が増加していることとの関連を示唆していた。米国コンシール・キャリー協会(USCCA)によると、この法律は現在29州で施行されている。
空港における銃器の押収数は地域によって大きく異なる。例えば、ワシントンD.C.エリアにある3つの主要空港では、1年間の押収数として過去最高を記録した。TSAは昨年、首都圏の空港にある保安検査場でのルーチン検査で2023年より11%も多い117丁の拳銃を摘発した。最も多かったのは、ボルチモア・ワシントン国際空港の47丁で、バージニア州のロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港とワシントン・ダレス国際空港を合わせて70丁が押収された。