カルチャー

2024.12.27 13:30

「整う」から「無」に。2025年注目の「無の経済圏」とは

「無目的室Morph inn」

実際に5月に表参道、8月に虎ノ門で実験店舗を運営した際には、予約が取れないほどの人気に。着替えや訓練いらずで手軽に無になれることから、“ちょっと休んでまた頑張りたい”と仕事の合間に利用するビジネスパーソンも多かった。
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「無になることで、ストレスの緩和やパフォーマンスの強化につながる。自分の状態や気分をデザインしたい人にとって、Morph innは切り替えのスイッチになります」
「無目的室Morph inn」体験の様子

さらに出村は、“無の経済圏”の拡張にも取り組む。「無前」「無中」「無後」という考え方で、「Morph inn」で無になる(無中)前後に、さまざまなプレイヤーと連携してサービスを提供している。例えば「無前」には、脳のリズムに変化を与える「ニューロミュージック」で無になる準備を整える。「無後」には、仕事に戻る場合はカフェインで目覚めを良くしたり、逆に地域のバーと開発した特別なカクテルでリラックス状態の余韻を楽しんでもらったりと、多様な選択肢を用意した。
オープン時には「無前」「無中」「無後」の価値をより深く探ることを目的に、「茶香」(吸うお茶)を提供するArt Collective Ochillとのコラボレーションを実施した

「今回は京王電鉄と共創し、商業施設内にMorph innを設置しました。無の経済圏の広がりが、施設や街全体の活性化につながることを期待しています」
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「Morph inn」は、25年にミラノデザインウィークへの出展も決まっている。世界中でウェルビーイングへの関心が高まる今、日本発の“無”はグローバルトレンドとなるか。


でむら・みつよ◎2011年、クリエイティブ集団Konelを創業。東京、金沢、京都、ベトナムを拠点とし、異能のクリエイターとアート、プロダクト、マーケティングなど領域横断プロジェクトを推進。20年にイノベーションメディア「知財図鑑」を共同創業。

文=田中友梨 写真=Konel提供

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