今年のこのランキングでは、メキシコ初の女性大統領クラウディア・シェインバウム(62)が、新顔の政治家の中でトップの4位に入り、女性にとって厳しさを増す政治環境の中で注目されている。
史上最大の選挙イヤーと呼ばれた2024年は、世界の各国で大規模な投票が行われ、フォーブスのこのランキングにも大きな変化がもたらされた。今年のランキングの1位と2位には、昨年と変わらず欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長(66)と欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁(68)が入ったが、他の顔ぶれには大きな変化が見られている。
米国のカマラ・ハリス副大統領(60)は、ここ数年ランキングのトップ5に入っていたが、米大統領選での敗退を受けて、圏外に沈んだ。また、来年1月の政権交代で退任する米財務長官のジャネット・イエレン(78)や国連大使のリンダ・トーマス=グリーンフィールド(72)もランキングから脱落した。
世界の女性首相や女性の国家元首の数は、2023年の38人という過去最高からは減少して26人となっている。例えば、台湾の蔡英文総統(68)は5月に任期を終え、スロバキアのズザナ・チャプトバ大統領(51)も2期目に立候補しない決断をした後、6月に退任した。
世界の女性リーダーの数は減少
米国のシンクタンクの外交問題評議会(CFR)のリンダ・ロビンソン上級研究員は、女性リーダーの数の減少の一因が、民主主義の衰退や、女性の候補者が高いレベルのオンラインの嫌がらせに直面することにあると述べ、女性を取り巻く状況が厳しくなりつつあると指摘した。さらに、世界の先進国の一部では、いまだに女性のリーダーシップ能力を男性と同等と認めない意識が根強いことも挙げられる。女性リーダーに対する公共の意識を測る「レイキャビク指数」は、2018年の統計開始以来で最低水準に落ち込んだ。その背景には複雑な要因が存在するが、この指数の共同設立者のミシェル・ハリソンは、ポピュリズム勢力からの反発や、フェミニズムに反感を抱く若い男性の増加を挙げている。