自然災害、感染症などの場合は?
まず、パッケージツアーで申し込んだ旅行プランの場合(飛行機と宿がパックになった旅行プラン等)、欠航での宿のキャンセル料は基本掛かりません。それ以外の個人旅行のキャンセル料というのは基本的には、事情にかかわらず掛かるものと認識して下さい。
けれども、そうはいっても予約者の心情を考えると考慮せざるを得ない事情もあり、現実的にはケースバイケースで対応しようというのが一般的な宿の方針であると思われます。
ただ、事情を考慮してキャンセル料を取らないというのは、あくまでも宿側の厚意であることを忘れないで欲しいと思います。
お客様にとっては、「台風は自分のせいじゃない」という意識が強いでしょう。だから当然キャンセル料無しは認められるべき…と。ではこれが宿のせいかと言えばそれも違うのです。
台風の影響で飛行機・フェリー・新幹線を含めた電車、欠航や運休で行きたくても行けないんだ!と、心情は理解出来ます。しかしホテルは満室で、後からの他の予約を断ってあなたの予約部屋を守ってきたかもしれません。
このような場合、どちらが悪いということはありませんよね。どちらかが泣くか、どっちも泣くしかありません。
「インフルエンザに罹ってしまったので」というキャンセル理由は多かったです。今は新型コロナでしょうか?
もちろん本当の場合もあるでしょうが、経験上ウソの理由としても多いことを私は知っています。
これを仕方ないとして全て免除するか?
理由が本当かどうかなんて分からないのだから関係なくもらうか?
これはもう宿の判断・方針なのです。
嘘の理由を並べられることを防ぐことは出来ません。それは、その人の考え方・生き方です。
同じく宿の方針も、その宿の考え方・経営の仕方です。
「それは災難でしたね。キャンセル料はけっこうです」
「キャンセル料は免除したいと思いますが、診断書の提出・欠航したフライト便を教えていただけますか?」
「申し訳ありませんが、理由の如何にかかわらずいただきます」
どの対応もあり得るということです。
インターネット予約の場合、回収は——
つまり予約したサイトが例えば「楽天トラベル」や「じゃらん」だったとしましょう。サイト経由の予約がキャンセルされたわけですが、それでも請求と回収は「楽天トラベル」や「じゃらん」が行うのではなくて、あくまでホテルが行うことになります。ただ全ての予約形式でなく一部例外がありますし、クレジットカード引き落としで連絡無しの無宿泊分の料金も徴収する方式のサイトもあったり、いろいろですので承知しておいて下さい。
今まではキャンセル料徴収はホテル側の問題でした。はっきり言うと、予約サイトは知らんふりだったわけです。ただ、現地決済よりクレジットカードによるオンライン事前決済による予約を積極的に促し、キャンセル料が発生した場合はカード引き落としにて代行徴収するといった動きも出てきています。
料金回収の問題は業界全体の課題でもありました。つまり、基本は宿側と宿泊者の間で行なわれていたキャンセル料金について、予約サイトが介入、徴収に協力する流れが今後は加速していくと思われます。