夕暮れ時に南西の空を見上げると、金星がひときわ明るく輝いている。それから東の空に目を転じれば、年にいちどの「衝(しょう)」を先週末に迎えて明るさが最高潮に達したばかりの木星が、おうし座の星々の間に光っているのが見えるだろう。木星の上方にきらめく星屑は散開星団のプレアデス星団(すばる)で、肉眼でも確認できる。しばらく待っていると、東から火星が昇ってくる。まさに惑星のパレードといった趣だ。
12月第2週の星空観察について知っておきたいことをまとめた。
12月13日(金):月とプレアデス星団が大接近
満ちていく月が夜空に君臨し、木星やおうし座のプレアデス星団とランデブーする。日没後に東の空を見てみよう。14日未明には、月がおうし座のプレアデス星団の手前を横切る「プレアデス星団食(すばる食)」も起こる。
12月14日(土):ふたご座流星群が極大
今年のふたご座流星群は、満月の直前に極大となるため「当たり年」とは言えない。多くの流れ星が見られる「極大夜」(13日夜~14日明け方)にも、1時間に120個流れるはずの流星のすべてを見ることはできないだろう。とはいえ、今週の夜空にきらめく光の筋が走るのを見かけたら、それはおそらくふたご座流星群の流れ星だ。母天体は彗星ではなく、地球近傍小惑星(3200)フェートン(ファエトン)である。
12月15日(日):「コールドムーン」の満月が「守護星」とともに昇る
今年12回目にして最後の満月は、北米先住民の風習に根差した農事暦で「コールドムーン」と呼ばれる。「ロングナイツムーン(長夜の月)」や「ムーンビフォアユール(ユール=クリスマスの前の月)」という異称もある。
「コールドムーン」は1年間で最も高く昇る満月
北半球から見た12月の満月は、今年最も高い位置に見える満月である。これは、天球上における月の通り道「白道(はくどう)」が、太陽の通り道「黄道(こうどう)」とほぼ同じところを通っているためだ。北半球から見ると、12月の太陽の南中高度は1年間で最も低い。満月は常に太陽と正反対の位置にあるため、冬至の頃の満月は、夏至の頃の太陽と同様に、1年間で最も高い位置に昇るのだ。月の出ている時間の長さも、1年間のどの満月よりも長くなる。
(forbes.com 原文)