ただ、今年は極大期を待たずに早めに観測を始めたほうがよい理由がある。
極大夜には1時間あたり最大120個もの流星が出現すると予想され、今年最大の流星群となる見込みだが、12月15日は満月なので、明るい月光が一晩じゅう夜空を照らすことになるのだ。
2024年のふたご座流星群について、知っておきたいポイントをまとめた。
ふたご座流星群とは
ふたご座の方角から流れ星が飛び出してくるように見えることから、ふたご座流星群と名づけられた。流星が放射状に飛び出すように見える中心点を、天文用語で「放射点」と呼ぶ。ふたご座流星群は19世紀半ばから観測報告がある。流星群の中でも最も活動が活発で、極大時の流星出現数は120個にもなる。主に黄色っぽい光の筋として夜空に現れるが、白色や運がよければ緑色の明るい光を見ることもできる。米国流星学会(AMS)によると、流星の速度は秒速約34kmで、流星群としては比較的遅い。
流れ星は、太陽系内に漂う塵や天体の破片などの流星物質が地球の大気圏に突入した結果生じる現象だ。流星物質は大気と衝突すると熱せられてプラズマ化し、発光する。
ふたご座流星群は、母天体が彗星ではなく、小惑星だという点で独特な流星群である。流星物質を放出している天体は、太陽を1.4年の周期で公転する地球近傍小惑星(3200)フェートン(ファエトン)で、1983年に発見された。その後、フェートンの軌道周期と、太陽の周りを漂うふたご座流星群の流星物質の軌道周期が一致していることが判明した。
米航空宇宙局(NASA)によると、フェートンは太陽に近づくと彗星のように明るさを増し、ナトリウムガスの尾を形成する。これについては、フェートンの表面が非常に高温に熱せられ、岩石内部のナトリウムが蒸発して宇宙空間に放出されている可能性が指摘されている。
2024年のふたご座流星群、観測のコツは
今年、ふたご座流星群を見るなら、まずは12月最初の週の夜10時以降に南東の空をぼんやり眺めてみよう。国際流星機構(IMO)によると、12月8日以降は月が明るすぎるが、流星の数が多く、深夜帯には放射点がほぼ天頂に位置するため、観測チャンスはありそうだ。流星群を見るには、雲ひとつない夜空が理想的だ。ただ、そうなると冷え込む可能性が高いので、暖かい格好をし、定期的に屋内に戻るなどして休憩をとろう。温かい飲み物を常備して、外に1時間以上い続けないようにしよう。
光害の影響を受けない場所で観測するのがベストだが、それが難しい場合は、光が視界に入らないようにすることだ。もちろん、スマートフォンなどのデバイスの画面が発する白色光も避けよう。
(forbes.com 原文)