重視した翻訳の「正確さ」と「リアルタイム性」
DeepLの日本法人であるDeepL Japanが開催した新サービスの記者発表会で、2つのアプリが動く様子を確認した。どちらのアプリもユーザーが話しかけたあと、わずかな間を置いて日本語の翻訳をテキストで表示する。訳文を読むためにかかる時間を除けば、人間による同時通訳を挟んで会話するスピードとほぼ変わらない使い勝手を実現している。
さらにVoice for Meetingsはアプリが対応する言語である限り、同時に複数の異なる母国語で話すユーザーがひとつの会議に参加できる。例えば日本語を母国語とするユーザーが英語・ドイツ語・フランス語で話す相手とひとつの会議に参加した場合でも、すべて日本語に翻訳されるテキストを確認しながら日本語で話せばいい。AIによる機械翻訳のメリットが最も活きるケースだ。
Voice for ConversationsもやはりMeetingsと同様にリズム良くリアルタイム翻訳をこなす。ただ、今回は屋内で体験したデモだったので、騒々しい屋外で使う場合はアプリをインストールした端末のマイクを口もとに引き寄せるなどの工夫が要りそうだ。
英語と日本語による会話を翻訳したテキストを読む限り、他のDeepLのサービスと同様にDeepL Voiceも正確で自然な翻訳ができているようだ。友人同士で話すような場面を想定して、口語会話で話しかけてみても正確に意図を介してくれた。さらに用語集やトーン&マナーをカスタマイズすればビジネスの最前線で安定したパフォーマンスを発揮してくれるだろう。
なお、Voice for Conversationsにはユーザーのプライバシーとセキュリティを保護することを優先して、会話の内容を保存する機能がない。Voice for MeetingsについてはTeams側の機能によりミーティングの記録を残すことが可能だが、DeepL側のプラットフォームに会話の翻訳をテキストファイルとして書き出す機能は備えていない。