3. DX/AI: デジタルトランスフォーメーションとAIの活用
世界各国を旅する中で、観光DXが進んでいる現状に驚かされました。インドで滞在したホテルでは、チェックイン時にSMSでリンクが送られてきて、そこからWi-Fi情報やアメニティの詳細を自動で得ることができました。たとえば、ランドリーサービスについて質問すると、botが「朝8:30-10:30に出してくれれば、48時間後にお返しします」と即座に回答があり、スタッフの負担が軽減されている様子が見て取れました。おそらくベースはbotの対応で、それ以外を人が対応し、徐々にbotに収斂する形を取るのでしょう。また、アメリカやフランスでの体験になるのですが、Uberのアプリを利用して、現地で電動自転車やキックボードのレンタルもスムーズにでき、アプリを追加インストールする手間も不要でした。Lyftのアプリによって、Citi Bikeに乗ることができ、UberのアプリでLimeに乗ることができます。こうしたデジタル体験は、観光客にとって非常に魅力的です。新しいアプリをダウンロードする必要もなく、その場で快適に交通手段を選べる利便性が、旅全体の満足度を高めていました。
日本の観光としても、世界の観光DXのトレンドを踏まえた上で対応をすることで、観光業の効率化と観光客の体験向上が図れます。具体的には、観光地や宿泊施設におけるAIベースの自動応答システムの導入や、多言語対応のチャットボットの整備が挙げられます。観光客は必要な情報を即座に取得でき、スタッフの負担も軽減できるため、サービスの質も向上することでしょう。自社で多言語サイトを立ち上げるのではなく、MATCHAのような多言語での情報発信プラットフォームの活用の例も今増えてきています。
Diversity Friendly、Pricing、DX/AI、これら3つのキーワードは、今後の日本の観光産業が成長するために重要なテーマです。これらの対応により、日本は世界中の観光客にとってより魅力的で快適な目的地になりえるでしょう。観光事業者として、私たちもこの変革に積極的に取り組み、日本の未来を築いていきたいと感じています。