4. 瞑想
瞑想は気を散らすものや心配事、侵入思考(望まない非自発的な思考や、不愉快な考え)を頭から切り離すことに役立つ。また、研究結果によると、「今この瞬間」に集中することを助ける瞑想を実践することはストレスを軽減するだけでなく、脳内の「再配線」を助ける。それによって、感情やストレスのコントロールに関わる領域が強化されるという。ファリーナが勧めるのは、1日2~3分の瞑想から始め、徐々に時間を延ばして10~20分まで行うことができるようにすることだ。アプリやビデオを利用するのもいいという。ただし、瞑想から効果を得るためには、方法以上に継続が重要である。その効果を十分に得られるようになるには「長ければ8週間はかかる」とされている。
5. 塗り絵
塗り絵は、「今」に集中することでストレスや不安を軽減するアクティブな瞑想の一種だ。子どもたちだけのためにあるものではない。大人にとっても、たまったストレスを解消し、扁桃体を落ち着かせるための強力なツールだ。ネガティブな思考から心を切り離し、その瞬間への集中を助けてくれる。また、塗り絵をしているときのリズミカルで反復的な動作は神経系を落ち着かせ、瞑想のように、深いリラクゼーション反応を促してくれる。
6. 感謝
感謝の気持ちを持つことは、生活の中で不足していることではなく、満たされていることに注意を向けることにつながる。マインドフルネスをベースとした認知行動療法(CBT)の専門家、アリソン・マクレロイは、感謝はストレスに対する「強力な解毒剤」になると話している。感謝の気持ちは気分を改善させ、レジリエンス(回復力)を高め、人間関係を深め、自尊心を高め、睡眠の質を向上させることにもつながるという。
マクレロイが、より簡単に感謝の気持ちを感じる方法として挙げるのは、朝のコーヒーの香りやペットと遊ぶ時間、忙しい一日の後にようやく帰宅して靴を脱ぐ瞬間など、喜びや感謝、穏やかな気持ちをもたらす「小さなこと」に注意を向けてみることだ。
そうした「ちょっとしたこと」を積極的に探すことは、重圧を感じるものから明るい気分にしてくれるものへと、私たちの意識が向かう先を変えてくれる。