2000人あまりの守備隊主力は3カ月間持ちこたえ、アゾフスターリ製鉄所に立てこもった果てに、2022年5月後半、食糧や弾薬、医薬品が底をつき、ついに投降した。第501海兵大隊は最後まで抵抗した部隊には含まれておらず、1カ月あまり前の4月第1週に投降していた。
マリウポリでほぼ壊滅状態に陥った第501海兵大隊は2度目の再建を余儀なくされた。新たな将校と新兵で構成された第501海兵大隊は、2023年に戦線に復帰した。そして8月、クルスク州に転戦し、そこで、自分たちよりも恥ずべき過去を持つロシアの海軍歩兵部隊とまみえることになった。
ウクライナの陸軍、空中強襲軍、海兵隊の部隊から付け狙われている第155海軍歩兵旅団は窮地に陥っている。ウクライナの第501海兵大隊と同様にロシアのこの海軍歩兵旅団も、ロシアが拡大して2年8カ月たつ戦争で壊滅と再建を繰り返してきた。
またそうなるかもしれない。ウクライナ空中強襲軍はドローン操縦士たちを処刑した第155海軍歩兵旅団の兵士らを「畜生」「狂犬」などと罵っている。ゼリョーヌイ・シュリャフ方面で反撃しているウクライナ軍部隊にとって、第155海軍歩兵旅団の撃破はたんなる戦場での重要任務ではない。それは、各兵士らが個人的な感情を晴らそうとするものでもある。
(forbes.com 原文)