今週起こったとみられるこの戦闘の結果は自明だった。ウクライナ陸軍第17独立戦車旅団のT-64かT-72とみられる戦車は近づいてきたロシア軍の装甲兵員輸送車を2回砲撃し、徹底的に破壊した。マーク・ハートリング米陸軍退役中将はその映像に「いままで見たなかで最も接近した戦車の戦闘だ!」とコメントしている。
In the Kursk region, a Russian APC drove straight into the path of a Ukrainian tank from the 17th Separate Tank Brigade. The tank opened fire at point-blank range. pic.twitter.com/SgpLZaVe4Y
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) October 16, 2024
軽武装で防護も薄いロシア軍の装甲兵員輸送車の乗員が、なぜ125mm砲で武装し数百mmの鋼鉄で防護された戦車2両に向かって直進していったのかは謎である。もしかすると味方の戦車だと誤認したのかもしれない。ロシア軍とウクライナ軍が使っている戦車の種類はかぶるものも多いからだ。
あるいは、これらの戦車は動かなくなって乗り捨てられたものだと誤解した可能性もある。たしかに映像を見ると前側の戦車はエンジン室あたりから煙が上がっており、損傷していたようではある。
いずれにせよ、ロシア軍の装甲兵員輸送車は30kgの砲弾の直撃を受けた。信じがたいことに、破壊された車両からロシア兵数人がぽろぽろと脱出している。ハートリングは「ロシア軍の乗員3人はどうして生き延びられ、しかも立ち去れたのか」と書いている(編集注:より長尺の動画には装甲兵員輸送車の上に何人かの歩兵が乗っている様子が映っており、脱出したのはこれらの歩兵とみられる)。
生き残ったロシア兵の1人は、前側のウクライナ軍戦車の砲塔のすぐ前を横切って走り去っている。ハートリングも疑問を呈しているように、戦車の乗員がなぜ主砲と同軸の機関銃で撃たなかったのかも謎だ。