欧州

2024.10.15 11:00

ロシア軍、捕虜にしたウクライナのドローン操縦士9人を処刑

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ウクライナ軍は8月6日、12個ほどの大隊で構成される大規模な兵力を投じてロシア西部クルスク州に侵攻し、またたく間に同州の1000平方kmほどの地域を占領した。これを受けてロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア軍に対して侵攻部隊を10月1日までに駆逐するよう指示したと報じられている。

ロシア軍はその期限までにウクライナ軍部隊を排除することができなかった。もっとも、それはロシア軍の努力が足りなかったわけではなかった。また、残虐さが足りなかったわけでもなかった。

ロシア海軍第155独立親衛海軍歩兵旅団を主力とするとみられるロシア軍部隊が最近、ウクライナ軍が支配する突出部の西端に対して行った反撃はたいした成果を収められなかったものの、レオニドボ村の外側でウクライナ側が占拠している元ロシア側防御拠点の近くで、ウクライナ軍のドローン(無人機)チームを制圧することはできた。

一帯にはウクライナ陸軍の第33独立強襲大隊と第41独立機械化旅団が駐屯している。

ロシア軍はウクライナ軍のドローン操縦士9人を捕虜にするや、軍服を脱がせて下着姿にし、地面にうつ伏せにさせた。そして彼らの頭を撃ち、9人全員を殺害したと報告されている。ウクライナの調査分析グループ、ディープステート(DeepState)が入手し、13日にオンラインで共有したドローン撮影の画像は、捕虜の大量処刑を裏づけているように見える。

ディープステートは「こうした行為は捕虜の扱いに関するジュネーブ条約の重大な違反だ」と指弾している
これは特異な事例ではない。ウクライナ最高会議(議会)のドミトロ・ルビネツ人権弁務官は今月7日、東部ドネツク州で最近行われたウクライナ人捕虜3人の処刑をウクライナ当局が捜査していると明らかにしている。ウクライナ検事総局のユーリー・ビロウソウ戦争犯罪局長によれば、これら直近2件の事例に先立ってロシア軍はウクライナ人捕虜少なくとも93人を戦場で殺害していた。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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