ウクライナ軍のドローン(無人機)は訓練中の兵士らを発見し、現場の位置情報をおそらく味方の高機動ロケット砲システム(HIMARS)運用部隊に伝えた。何百個もの子弾を内蔵したロケット弾が撃ち込まれ、子弾はばらばらと一帯に降り注ぎ、殺傷性の金属片を撒き散らした。
GMLRS cluster munitions cover a pile of Russian infantry at another training ground in the South.
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) October 16, 2024
The adjustments were carried out by operators of the 128th Separate Mechanized Brigade and the Black Forest Brigade using Shark reconnaissance UAVs. pic.twitter.com/YYZvGegr5u
先行する動画の場合と同様に、今回の攻撃でも射撃場とみられる場所に集まっていたロシア兵らが狙われた。数十人のロシア兵らは晴れた日の日中、堂々と訓練をしていた。ウクライナ軍のドローンはその様子を上空からじっと見つめていた。
ウクライナ軍の砲兵部隊はその場所に、子弾400個あまりを内蔵する米国製M30とみられるロケット弾を発射し、命中させた。ドローンはしばらく現場上空にとどまり、ロシア兵らの生存者や遺体を観察していたようだ。
ロシア軍の指揮官らは無謀にも、GPS(全地球測位システム)で誘導されるM30の約90kmの射程圏内で訓練をさせていた。攻撃は彼らの不注意や無頓着ぶりを浮き彫りするとともに、ウクライナ軍の遠距離打撃能力の向上も示している。
攻撃に情報を提供したドローンは、ウクライナ製のシャーク(シャルク)無人偵察機を運用する第15独立砲兵偵察旅団、通称「チョールヌィイ・リース(黒い森)旅団」の所属だったと伝えられる。
黒い森旅団のペトロという上級曹長は最近、地元メディアのウクラインシカ・プラウダのインタビューで「砲(の運用方法)はドローンのおかげで根本的に変わりました」と語っている。
「ドローンが活用されるようになる前は、大砲や多連装ロケットシステムは6〜12の機材を装備する部隊単位で運用され、その部隊でエリア全体をただ砲撃するだけでした。いまではドローンによって精密な射撃修正ができるため、各ランチャーや砲が個別に射撃するようになっています」(ペトロ)