ウクライナ南部ザポリージャ州で戦線を維持するウクライナ軍第118独立機械化旅団のドローン操縦士は、回転翼が4つの「クワッドコプター」型ドローンで前線をパトロールしていたとき、不整地を独りで歩くロシア兵を発見した。
別のドローンが上空から監視するなか、1kg前後とみられる爆弾を積んだこのFPV(一人称視点)ドローンは、ロシア兵の頭上に素早く飛来し、急降下した。直撃を受けた兵士は死亡したようだ。ウクライナの著名な軍事ブロガー、「ホボリャチ・スナイペル」は「機動性が印象的だ」とコメントしている。
What is claimed to be a "test" of a guided FPV drone used on a single Russian serviceman, demonstrating impressive maneuverability. 118th Brigade.https://t.co/QOKFNy1CgM pic.twitter.com/30XK8py0rR
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) October 11, 2024
ウクライナの戦場では両軍がそれぞれ毎月数十万機のFPVドローンを使用し、車両や塹壕、兵士を攻撃している。小型の自爆ドローンはこの戦争で最も殺傷力の高い兵器のひとつになっている。
2022年2月の戦争拡大から2年ほどの間、ドローンの殺傷力はもっぱら操縦士の技量に依存していた。FPVドローンはこれまで、VR(仮想現実)ヘッドセットを装着した操縦士がリアルタイムで遠隔操作するのが普通だった。
ウクライナ軍によるFPVドローン攻撃のほうが概してロシア側のものよりも有効性が高いのも、著名なドローン部隊指揮官ロベルト・ブロウディをはじめ、ウクライナ側のドローン操縦士の経験や腕前が全体としてロシア側よりも優れているためだ。
一方、ロシアは今年初めごろ、ウクライナ側の技量の優位性をある程度減殺できるような新技術を導入した。FPVドローンの搭載プロセッサーにAI(人工知能)を組み込んで人間などの輪郭を認識できるようにし、多くの操縦士にとって照準を合わせるのが最も難しいタイミングである飛行の最後の数秒に、目標に向けて自動操縦できるようにしたのだ。