宇宙

2024.09.06 18:30

木星衛星ガニメデに巨大小惑星衝突の痕跡、恐竜絶滅させた天体の20倍 神戸大研究

NASAの探査機ボイジャー2号が撮影した木星の衛星ガニメデの画像。衛星表面の大部分が溝状の構造地形に覆われている。赤枠内を拡大表示した右図では水平方向に並ぶ溝を確認できる。溝状構造は左図の赤い+の地点から同心円状に広がっている(HIRATA Naoyuki/Kobe University)

NASAの探査機ボイジャー2号が撮影した木星の衛星ガニメデの画像。衛星表面の大部分が溝状の構造地形に覆われている。赤枠内を拡大表示した右図では水平方向に並ぶ溝を確認できる。溝状構造は左図の赤い+の地点から同心円状に広がっている(HIRATA Naoyuki/Kobe University)

酸素と氷

NASAによると、ガニメデに希薄な酸素の大気が存在する証拠が、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)を用いた観測で発見された。この酸素は、ガニメデの表面にある氷に由来すると考えられている。また、これもHSTの観測データを用いた2021年の研究では、ガニメデの大気中に水蒸気が存在する証拠が初めて見つかった。さらに、ガニメデの氷に覆われた表面の下に地下海があると考えられている。

ジュノーとJUICE

NASAの木星探査機ジュノーは、2021年に短期間のフライバイ(接近通過)でガニメデを訪れ、表面にクレーターの多い領域や溝状構造のある領域を画像に収めた。この表面構造が、40億年前のガニメデに何が起きたかを解明する手がかりとなった。ジュノーが収集したデータにより、ガニメデの表面に無機塩類と有機化合物が存在することが示唆されている。

欧州宇宙機関(ESA)のJUICE(木星氷衛星探査計画)探査機が現在、木星に向かっており、到着後は2034年から6カ月にわたってガニメデの軌道を周回する予定だ。成功すれば、月以外の衛星を周回する初の探査機となる。
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思わず見とれる「木星の最新画像」、NASA探査機ジュノー撮影

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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