宇宙

2024.09.03 15:00

土星が見頃を迎え、月と金星が寄り添う 今週の夜空

NASA, ESA, A. Simon (Goddard Space Flight Center), M.H. Wong (University of California, Berkeley), and the OPAL Team

9月第一週の夜空の見どころは、月のない闇夜の天体観察、夜明けの空にきらめく水星、夕暮れ時に輝く金星、三日月、そして最も大きく明るい土星だ。今週の星空観賞に関して知っておくべきことをまとめた。

9月3日(火):新月

新月の夜は、天文ファンが1カ月のうちで最も好きなひとときといえる。月が地球と太陽のほぼ中間に位置し、夜空から月明かりが消えるため、天体観測にうってつけなのだ。実際には、新月前後の1週間ほどはほぼ完ぺきに近い夜空が楽しめる。

9月5日(木):水星

この日、水星は西方最大離角となる。朝日の光にさえぎられる前に、東の低空にきらめく水星の姿を見つけやすくなる。晴れた日なら、日の出の約30分前に、地平線の上に赤みがかった点が見えるだろう。

9月5日(木):三日月と宵の明星

日没後30分ごろの西の空で、三日月と金星が大接近する。三日月の上側に、マイナス3.9等と明るい金星の美しく輝く姿が目を引くはずだ。細い月は、地球上の海や氷冠に反射した太陽光が月を照らすことによって欠けた部分が影のようにうっすらと見える「地球照」を伴っている。

9月6日(金):月とスピカ

地球照を伴った三日月が再び見られるだけでなく、月のすぐ横に並ぶように明るい星が見えるだろう。おとめ座で最も明るい星で、約250光年の距離にあるスピカだ。 

9月8日(日):土星の「衝」

この日、土星は1年間で最も大きく、最も明るく、最も観測に適した状態となる。土星が地球から見て太陽とちょうど反対側の位置関係にくるためで、これを土星の「衝(しょう)」と呼ぶ。土星は29.4年かけて太陽を周りを公転する。一方、地球の公転周期はわずか1年だ。したがって、「衝」は378日(54週間)ごとに起こる。

太陽から6番目の惑星である土星は、今後数週間は明るさを保ち、一晩中見ることができる。天文ファンならだれでも身に覚えのある感動の瞬間の1つは、望遠鏡で初めて土星を見たときではないだろうか。今月、望遠鏡で土星を眺めるなら今週しかない。

今月の天体:黄道光

今月は、繊細ながら壮大な現象を目撃できる理想的な条件が整う。ただし、北半球の非常に暗い場所でなければ見られない。

日の出の約1時間前、まもなく太陽が顔を出すあたりの東の空に、三角形の淡い輝きが見える。太陽系にただよう宇宙塵が太陽光を反射して起こる「黄道光(こうどうこう)」という現象で、「偽の夜明け(false dawn)」とも呼ばれる。これらの宇宙塵は隕石や彗星に由来するものや、惑星が形成された際の残骸と考えられているが、火星を起源とする可能性も指摘されている。

黄道光(Shutterstock.com)

黄道光(Shutterstock.com)

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forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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