開館後、平日の人の入りは穏やかであるものの「フル回転させた最初の土曜日には400人を超える方々にご来場いただいた」と笑顔を見せる。来場者のSNS投稿に手応えを感じると同時に、コメントを参考に改善も加えている。
アートコレクターになる前と後で、いちばん大きな変化は何かと聞くと「思考の幅が広がったこと」だという。「それまで社会との接点は主に家族と仕事だったのが、直接ビジネスに関係ないことも含め、グローバルに多種多様なテーマに触れるようになった」。しかし、アートを通じて真理に迫るアーティストとの交流は、学生時代に物理学に没頭し、物事の本質を探究し続けてきた植島にとって自然なことだったのかもしれない。
ミュージアムという常設空間ができてから、ゲストを案内するたびに自分自身の理解も深まり、また「次はどんなテーマで展示をしよう」という視点で作品購入を考えることも増えた。今後は、教育機関との連携や、若手キュレーターへのキュレーション機会の提供も考えているという。新たなアートスポットの進化に注目したい。