不足するティーンエイジャーへの支援
一方、親たちの大半は、自分の子ども、特に息子が抱える孤独感に気づいていない可能性がある。米疾病予防管理センター(CDC)の下部組織、国立衛生統計センター(NCHS)が12~17歳の子ども1200人とその親を対象に行った全国代表サンプル調査では、実際にはその多く(40%以上)が、「十分な社会的、感情的なサポートを受けていない」と回答している。こうした結果が示すのは、親の側には一貫して、「構造的な偏見がある」ということだろう。親たちの誤解から、「子どもたちへの支援の必要性が、過小評価されている」と推測できる。
日常のストレスからの解放
UCCの研究チームは、D&Dは特有の方法で、メンタルヘルスに良い影響を与えるとみている。プレーヤーは社会的支援を経験し、協力し合い、自分自身を表現する場を得る。短時間ながら、日常のストレスから健全に逃避することができ、コントロール感を得ることもできる。また、研究チームが男性6人、女性2人、(自認する性が男女どちらでもない)ノンバイナリー2人で行った小規模な調査では、少女・女性たちもこのゲームを同様に楽しんでいたことが確認できたという。
UCCの研究を主導したオーラ・ウォルシュ博士研究員(応用心理学)は発表したプレスリリースで、協力してストーリーを展開していくD&Dに特有の側面が、「プレーヤーたちに独特の仲間意識と経験の共有をもたらすことになる」と述べている。
(forbes.com 原文)