だが、日本人の場合は異なる。2019年の年平均は239.8ドルと、ハワイを訪れた全ての観光客の平均よりも高く、現地で多くのお金を使っていた。それに対して、2024年6月の平均は244.2ドルと、ほとんど増えていない。これは、円安によってハワイ滞在中のコストを抑えようと、日本人観光客が努力している表れではないだろうか。
さらに細かく内訳を見ると、使用費が下がっているのがショッピングの項目だ。
2019年では1日1人あたり65ドルがショッピングに使われていたが、2024年6月では40.6ドルに減少。ショッピングにかける費用のおよそ3~4割を抑えているのだ。同様に、エンタメやリクリエーションの費用も2割弱減少している。
その一方で増えているのが、飲食の費用。2019年は1日1人あたり51.8ドルだったが、2024年6月は61.1ドルと、2割ほど増えている。
つまり、日本人観光客はレストランでの食事は従来と同程度楽しみながら、ショッピングを控えめにして、全体として滞在中にかかる費用を抑えようとしていることがうかがえるのだ。
円安・インフラでも 日本人がハワイ旅行を楽しむには
ハワイ滞在中にかかる費用がコロナ前と変わらないとはいえ、円安が進んでいるため、実際に日本円に換算すると、費用は以前よりどうしても増えてしまう。だが工夫次第で、日本人が現地での費用を抑えながらハワイ旅行を楽しむ方法はあるだろう。
例えば、旅行シーズンをずらして格安航空会社を利用すること。また、宿泊先はホテルではなく、比較的格安のコンドミニアムがおすすめだ。ホテルでは、宿泊代金に加えてリゾートフィーが1泊1室で30ドル前後かかるのが一般的で、連泊するとこのリゾートフィーがかさんでいく。リゾートフィーのないコンドミニアムを選べば、それだけでもかなりお得になる。
コンドミニアムならキッチン付きの部屋が多いため、現地では外食だけに頼るのではなく、自炊を取り入れて食事代を抑えられる。ハワイのコンドミニアムにはたいてい共用のBBQグリルがあるから、現地のスーパーで買い出しして、BBQするのもいいだろう。お目当てのレストランには出かけるけれど、それ以外は自炊するといったメリハリをつけて、食事代を抑えられるはずだ。また、観光ではツアーを利用せずに、レンタカーを借りてオリジナルの旅を楽しむのも自由気ままでいい。
こんなアイデアで、費用がかさむことなく、「ハワイを旅する」というより、「ハワイに暮らしている」ようなステイを楽しめるわけだ。旅は日常で味わえない体験をもたらし、日々の生活に活力を与えてくれるものだ。確かに、ハワイ旅行の費用は以前よりかかるだろう。しかし、それだけでハワイ旅行を断念するのは、もったいないかもしれない。
インフレと円安という「ハンディキャップ」を負っても、ハワイを楽しむことはできるはずだ。そんな旅のスタイルを探してみてはどうだろう。