2023.04.29

日本各地の空港が大混雑 「空の旅」を少しでも快適にする方法

ゴールデンウィークも混雑が予想される主要空港(Shutterstock)

日本への一時帰国を終え、ハワイへと戻る際に羽田空港を4月中旬に利用したところ、保安検査や税関などに長蛇の列ができていたことに驚いた。この様子は、どうやら羽田空港に限らず、日本各地の空港でも同様のようだ。

ゴールデンウィークに空港を利用する方は特に、注意が必要そうだ。混雑の要因と、スムーズに出入国の手続きをする方法を紹介したい。

保安検査・税関を通過するまで1時間

4月15日(土)午後7時前後。羽田空港国際線ターミナルを利用した筆者は、まず利用客の多さに驚かされた。航空カウンターのチェックインでは従来程度の待ち時間で済んだものの、その際に航空会社の職員から、保安検査が非常に混雑していて時間がかかるため、早めに列に並ぶように案内を受けた。

話を聞くと、その前日も保安検査に長蛇の列ができて、保安検査と税関を通過するまで1時間近くかかったという。確かに、その時点でも保安検査の前にはかなりの列ができていた。

飛行機の出発まではまだ2時間以上あったため、保安検査の列に並ぶ前に、空港内のレストランで軽く夕食をとろうとレストラン街に行くと、ほぼすべての店が満席。どの店もウェイティングリストに名前を書いて、しばらく待たないと入店できない状態で、店の前の通路まで多くの旅行客やスーツケースであふれている混雑ぶりだった。

結局、回転の早そうな店で食事を済ませてから保安検査の列に行くと、並ぶ人の数は先ほどの2倍近くに膨れ上り、保安検査と税関を済ませるまで、40分ほどの時間を要した。

さらに出国ゲートを通った後の搭乗口付近でも、土産店もレストランも、どこもかしこも長蛇の列。お土産ひとつ、飲み物ひとつを買うのにも、行列に並ばないといけないありさまで、多くの人が疲れきった表情を浮かべていた。

奇しくもその日は、岸田首相の演説中に爆発物が投げ込まれた事件が起きた日。おまけにG7札幌の開催期間中であったことから、保安検査が強化されたものとも考えられたが、特別検査が厳しい印象は受けなかった。それよりも、空港全体のキャパシティを超える人々が利用しているようだった。

訪日外国客数、コロナ禍以降過去最高に

それもそのはず、昨今は訪日外国人観光客が急増している。政府観光局の2023年3月の推計値で、訪日外国人観光客数は181.8万人で、コロナ前の2019年同月比で65.8%になった。1月は149.7万人(2019年同月比55.7%)、2月は147.5万人(同56.6%)だから、順調に回復を見せている。

羽田空港について見てみると、2023年1月における国際線旅客数は97.9万人で、2カ月連続で90万人を突破。これは前年同月と比べると11.48倍にあたり、そのうち外国人の利用は42.6倍にもなっている。

一方、成田空港では、国際線旅客数が1月は167.8万人、2月は163.7万人で、いずれも2019年比で6割前後となった。この数は2022年同月と比べると7~8倍になる。さらに、外国人だけに限ってみると、旅客数は前年同月の20倍近くの数となる。

同様に、関西国際空港の国際線旅客数は2月、90.5万人で、3年ぶりに90万人を突破。前年同月比で45.3倍となっている。

つまり、日本を訪れる外国人観光客が確実に急増しており、羽田空港や成田空港をはじめ、各地の空港で利用客数が軒並み増えているということだ。
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文=佐藤まきこ

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