面積1万平方kmと、岐阜県とほぼ同じ大きさのハワイ島は、5つの火山から構成され、上記2つの活火山を有する島だ。
平穏な日々を送るにはリスクがあると思われそうだが、そんなハワイ島の不動産人気は衰え知らずで、島の人口は1980年から約2倍になっているという。その理由はいったい何なのだろう。
溶岩流が流れ出た 2022年マウナロア火山の噴火
まず、11月に噴火したマウナロア火山の状況について紹介したい。マウナロア火山はハワイ島中央部に位置し、標高は4169mと、富士山よりも高い。常夏のハワイだが、この山頂付近では冬になると積雪も観測される。そんなマウナロア火山の噴火は、1984年以来38年ぶりのこととなり、ハワイ島郡では緊急事態宣言を発令。真っ赤なマグマが噴き出し、溶岩流は島の東西を横断する主要道路であるサドルロードのすぐ手前まで流れつくこととなった。今回の噴火による溶岩が流れたのは、住民が暮らす地域ではなかったため、一部の道路が通行止めになるなどしたが、地域の人々に大きな被害が出ることなく、12月上旬には噴火の威力が衰えを見せ、警戒レベルが「警告」から「勧告」まで引き下げられた。
ハワイ島は2つの活火山がある島
マウナロア火山の噴火で注目を集めたハワイ島だが、この島にはもう1つ別の活火山もある。それが、島の南東部に位置するキラウエア火山だ。この2つは「ハワイ火山国立公園」として知られ、ユネスコの世界遺産にも指定されている。キラウエア火山は世界でもっとも活発な活火山とも言われ、1983年から継続的に噴火が続いており、もっとも記憶に新しいのが2018年5月に起きた噴火だ。このときは、溶岩が住宅のある地域に流れ込み、数千人の住民が避難を強いられ、被害を受けた建物は700棟以上に及んだ。キラウエア火山では、このような大小の噴火がごく頻繁に起きているのだ。実際、2023年1月には1年4か月ぶりに噴火が起こっている。
ハワイ州にある主要な6島のうち、もっとも大きな島であることから「ビッグアイランド」の愛称で親しまれているハワイ島。だが、1万平方kmの島に、活火山2つもあるというのは、世界でも数少ない例だろう。