欧州

2024.08.01 09:30

ロシア軍に北朝鮮製の対戦車ミサイル車両が出現か 兵器供与拡大の可能性

プーチンと金正恩が合意した軍事協力の詳細は不明だが、北朝鮮からロシアへの相当数の車両供与も含まれていた可能性がある。もっと言えばその可能性が高い。

ロシアの立場からすれば理にかなった動きだ。周知のように、ロシアはウクライナで月におよそ600両のペースで失っている戦闘車両を新造車両や古い在庫の改修車両で補いきれていない。

ロシアが北朝鮮から車両の提供も受けることになっているのだとすれば、ロシアが受け取るのはM-2018だけではないかもしれない。ロシア軍はとくに現代的な戦車と装甲兵員輸送車を切実に必要としているから、いずれウクライナの前線に北朝鮮製の暴風号(ポップンホ、漢字表記は暴風虎も)戦車やM-2010が登場しても驚いてはいけない。

非常に注目されるのは韓国がどう反応するかだ。この戦争で北朝鮮はロシアを、韓国はウクライナをそれぞれ支援してきたが、これまでは双方ともそれをひっそりと行ってきた。権威主義体制の北朝鮮は権威主義体制のロシアに砲弾や弾道ミサイルを売却した。民主主義体制の韓国は同盟国の米国を経由するかたちで民主主義体制のウクライナに砲弾を供給した。

だが、ここへきて北朝鮮はロシアの戦争努力を公然と支援しつつある。だとすれば、韓国もまたウクライナに対して同じことをするかもしれない。プーチンと金正恩が新たな条約に署名したあと、韓国の張虎鎮(チャン・ホジン)国家安保室長はすかさずこの条約を批判し、「ウクライナへの武器支援について再検討する方針」を示した。

留意すべきは、韓国が世界有数の兵器生産大国であることだ。韓国は世界でも最も優れた部類に入る兵器を生産し、生産規模もほとんどの国を上回る。北朝鮮よりも大きいかもしれない。

Kriegsforscherは「韓国が反応してくれることを望む」と付言している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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