2024.07.14 09:00

日本人がなりやすいパリ症候群、「あこがれ」が「がっかり」に変わると体調を崩す

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英オックスフォード大学出版局の刊行する書籍・雑誌を一括検索できるデータベース「Oxford Academic(オックスフォード・アカデミック)」には、パリとは別の有名な地理空間を訪れた観光客に見られる珍しい心理現象「エルサレム症候群」に関する報告が掲載されている。中東エルサレムにやってきた巡礼者や観光客が聖書の登場人物や救世主になったと思い込むというもので、「心理地理学(psychogeography)」と呼ばれる分野の研究報告だ。
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英BBCの報道によると、イスラエルのクファ・シャウル・メンタルヘルスセンターでは、キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒を問わず年間100人前後の観光客を精神症状で治療しており、うち約40人は入院が必要な状態だという。発症した人は幻覚や幻聴を経験し、非常に偏執的で妄想がちになると報告されている。

イタリアのフィレンツェを訪れた観光客にも、少し反応は異なるが独特の症状に見舞われる可能性がある。「スタンダール症候群(スタンダール・シンドローム)」は、観光客が素晴らしい芸術作品や建築物を前にして動悸や錯乱を体験するというもので、美的症候群と呼ばれることもある。

BBCの報道では、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のストロッツィ礼拝堂にあるフレスコ画に描かれた人物が自分を指さしていると訴えた40代の女性の事例を紹介している。また、70歳代の芸術家はヴェッキオ橋に到着して間もなく、自分は国際航空会社に監視されていると思い込んだという。

初めてのパリでパリ症候群にならないためには

旅行というのは肉体的にも精神的にも負担がかかるもの。とにかく到着時に体調を万全にしておくことだ。猛暑の中で夏の欧州を旅するなら、脱水症状を起こさないよう水分をしっかり取り、時差ぼけの影響を軽減できるあらゆるアドバイスを実行し、旅程を詰め込みすぎないようにして疲れをため込むのを避け、服用している薬の影響に注意しよう。
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何よりも、パリは美しい大通り、市場、史跡、美食で名高いが、生きている街、人の息づく街だ。ゴミは出るし、地下鉄は混むし、カスタマーサービスも完全無欠とは限らない。結局のところ、他の都市と同じなのだと認識しておく必要がある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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