これは航空産業全体による排出量の5倍近くに相当する。さらに驚くのは、その食品廃棄物の半分以上が一般家庭から出ている点である。
食品廃棄物といっても、冷蔵庫の奥で忘れ去られ、カビが生えてしまった残り物のピザだけではない。野菜や果物などの皮、肉や魚の骨、貝殻など、私たちが日ごろ何のためらいもなく捨てている生ごみも含まれている。
食品廃棄物のカーボンフットプリントを減らすにはどうすればいいのか気になった人は、自分がごみ箱に放り込んでいるモノを、もっと意識することから始めるといい。
家庭でよく出る生ごみを工夫して再利用し、食品廃棄物を減らせる方法を10個、紹介しよう。
1. ハーブの茎をビネガーに漬け込んで香りづけ
「コリアンダー、ローズマリー、セージといったハーブ類の茎は、風味豊かなハーブビネガー作りに活用できる」と話すのは、米バーモント州モントピリアにある自然食品専門生協ハンガーマウンテン・コープのメアリー・ムラーリーだ。玉ねぎやニンニクの切り落とした端っこも、辛みを加えるのに活用できる。みじん切りにしてビネガーに漬け込み、数日から2週間ほど置いておけば完成だ。
2. 卵の殻で害虫駆除
庭仕事をする人はよく、卵の殻をオーガニックな害虫駆除剤として活用し、アリや甲虫、カタツムリやナメクジから植物を守っている。卵の殻はカルシウムを豊富に含んでいるため、天然の肥料としても効果的だ。ただし、酸性の土壌を好むツツジやアジサイ、ゼラニウムなどの植物の近くでは使わないようにしよう。
3. スイカの皮をピクルスに
本格的な夏が到来し、スイカを食べる機会が増えるかもしれない。スイカの皮は捨てずに、ピクルスにすると「歯ごたえのある爽やかな夏のおつまみになる」とムラーリーは言う。イチゴのヘタなど他の果物の捨ててしまう部分も、数日はちみつ漬けにするのがおすすめだそうだ(数日漬け込んだら取り除こう)。
4. レモンの搾りかすを無添加洗剤に
レモンの搾りかすに食器用粉末洗剤をふりかけ、それで流しをこすれば、こびりついた油汚れもピカピカに落ちる。環境保護に取り組む洗剤ブランド「Blueland(ブルーランド)」の共同創業者サラ・パイジ・ユーのアドバイスだ。粉末洗剤の代わりに重曹を使ってもよい。