サイエンス

2024.07.05 18:30

サメ以上に危険な海洋生物「ハコクラゲ」について知っておくべきこと

ハコクラゲの存在は、特に海水浴シーズンのピーク時に、海水浴客、サーファーおよびダイバーに著しいリスクをもたらす。このため深刻な怪我や死に至る接触を避けるためには、彼らの生息場所や行動を認識して警戒することが必要だ。

オーストラリアだけでも、ハコクラゲは年間約80件の死亡原因となっている。刺傷被害のリスクが最も高いのはオーストラリア北部水域における10月から5月の期間だが、死亡例は7月を除いて毎月報告されている。多くの事故は10月から6月の間に海岸の浅瀬で起きている。

4. 遭遇リスクを減らすためにできること

ハコクラゲに刺された時の効果的な応急措置として、「酢」が推奨されている(Getty Images)

ハコクラゲに刺された時の効果的な応急措置として、「酢」が推奨されている(Getty Images)

ハコクラゲに遭遇し、刺されるリスクを最小限にするために、彼らの生息地で遊泳、サーフィンあるいはダイビングをする際に取るべき予防措置がいくつかある。まず何よりも重要なのは、訪れる予定の水域にハコクラゲが存在するかどうかの最新情報を入手することだ。地域の自治体、監視員あるいは海岸の掲示は、クラゲの出没と警告に関する最新情報を提供していることが多いので、海に入るかどうかの決断を下すのに役立つ。ハコクラゲの個体数は地域によっても、1年を通じても変化するので、数が最大となるピーク時に泳ぐことは避けるのが賢明だ。

 全身水着やラッシュガードといった保護服を使ってクラゲの触手に対する物理的なバリアを作ることで、接触のリスクを緩和することもできる。さらに、クラゲに刺されるのを防ぐ用つくられた保護ローションなどである程度の効果を得られるかもしれない。

人気のビーチで安全区域としてネットで区切られた場所で泳ぐことでも、クラゲと遭遇する可能性を著しく減らすことができる。夜間や水が濁っていて視界が悪い時は、ハコクラゲを見つけるのがより困難になるので注意すること。最後に、万が一ハコクラゲに刺されてしまった時は、ただちに医療機関へ行き適切な治療を受けて毒の効果を緩和することが重要だ。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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