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2024.06.28 10:30

日本でもApple Vision Pro発売、成功の鍵は「アプリ開発者の創造性」

インテリア化するアプリ

小林氏率いるMESONでは、すでにVision Proに関するプロジェクトをいくつも進めている。その中で真っ先にリリースしたアプリが、「SunnyTune」だった。

「天気を体感できるアプリです。これまで情報として表示してきた天気を、目や耳で感じ取ることができるようにするアプリです。スノードームのようなオブジェクトを机の上などに配置し、その中で現在地や他の都市の天気が再現される仕組みです」

MESONが開発するVision Pro用アプリ「SunnyTune」(MESON)MESONが開発するVision Pro用アプリ「SunnyTune」(MESON)

こうしたアプリを作成してみて、小林氏が行き着いたインサイトは、Vision Proでは必ずしも没入感がすべてではないという点。

これはVision Pro以前のヘッドセット型VRデバイスと異なる点であり、Vision Proがより汎用的な空間コンピューティングを前提とし、没入感と現実空間の併用、いいとこ取りが指向されていることの表れだと、小林氏は指摘する。

Vision Proはどんな未来をもたらすのか?

さまざまなアプリが試されていくVision Proの今後の展望について、MESONの小林氏は次のような予測をしてくれた。

「個人向けのエンターテインメント活用では、さまざまなIPと掛け合わせて、自分の空間を飾るようなアプリに取り組みたいと考えています。

加えて、エンタープライズ分野では、機材の分解のガイドやマニュアルの表示など、情報を平面から立体にすることで、情報理解を早める、コラボレーションを早める、AIと融合させるということが期待されます」

アップルは日本時間2024年6月11日からの世界開発者会議「WWDC24」で、秋に公開となるvisionOS 2を披露した。この中で、立体の認識や、企業向けのAPIでアプリからカメラが利用できるようになるなど、重要な機能の解放があった。

カメラをアプリから活用できるようになると、アップルの機械学習モデルによってカメラで認識した情報を、アプリから利用できるようになり、特に建築や交通分野、あるいは実店舗におけるさまざまな分析、はたまたスポーツや医療、健康といった分野での活用が期待できるようになる。

「今後重要なことは、Vision Proアプリがどれだけ増えるか?」と指摘する小林氏。まだ見ぬ、空間コンピューティングのブレークスルーを起こすアプリに、Vision Proとその後継モデルの命運がかかっている。
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編集=安井克至

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