宇宙

2024.06.28 18:30

ハッブル宇宙望遠鏡が「復活」し観測再開 驚嘆の最新銀河画像

かじき座の方向約5000万光年の距離にある「羊毛状」渦巻銀河NGC 1546を捉えたハッブル宇宙望遠鏡の最新画像(NASA, ESA, STScI, David Thilker (JHU), Joseph DePasquale (STScI))

地球軌道上のNASAハッブル宇宙望遠鏡。スペースシャトルによるサービスミッション4で、2009年5月19日に軌道上に配置された後に撮影(NASA)

地球軌道上のNASAハッブル宇宙望遠鏡。スペースシャトルによるサービスミッション4で、2009年5月19日に軌道上に配置された後に撮影(NASA)

単一ジャイロモードには、制限がいくつかある。「望遠鏡が方向転換して科学観測対象を導入追尾するのに、より多くの時間を要する。また、常時観測可能な領域に関する自由度が低くなる」と、NASAは4日付の声明で指摘している。「さらに、火星よりも近くにある移動天体を追跡することはできなくなるが、こうした天体がハッブルの観測対象になることはほとんどない」。重要なのは、ハッブルの運用が再開することだ。
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1990年に打ち上げられたハッブルは、34年に及ぶ宇宙空間での運用期間で、数々の技術的問題と修理という苦境を乗り越えてきた。そして、人々の宇宙に対する見方と理解に変革をもたらし、NASAにとっても深宇宙観測のための重要な手段となっている。有名な「創造の柱」や幻想的なNGC 1546のようなハッブルの画像に驚嘆するのは、天体物理学者でなくてもできる。ハッブルは、はるかに新しいジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)と連携して、銀河の観測データを提供したり、宇宙膨張速度などの宇宙の問題を詳細に調査したりしている。今回の銀河の最新画像は、ウェッブとの共同観測計画の一環だ。

NASAはハッブルについて、老朽化が進んでいるにもかかわらず、明るい未来を見ている。2030年代に入るまで、科学データを地球に送信し続けることを期待すると明言しているのだ。NASAのシニア・プロジェクト・サイエンティスト、ジェニファー・ワイズマンは「NASAは現在、この先何年にもわたる発見に向けた準備が整っており、太陽系から系外惑星、遠方銀河までのあらゆるものを調査することになる」と述べている。「ハッブルは、NASAが有する一連の天文観測手段において強力な役割を果たしている」

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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