有名産婦人科の理事長と初診、初回の自費会計は約2万円
そして、駆け込んだ、年齢制限を設けていない産婦人科。40代後半の私の初診は、理事長のみ受け付けているとのこと。かかりつけの婦人科の医師からの厳しい言葉や会社の不妊治療サービスの一環のカウンセリングで得た情報により、年齢が上がるとどうにもこうにも妊娠は難しく、子供を持つことは正直現実的ではないというか確率はとても低い、ということは理解済みで臨んだ。どれだけ厳しい話をされるのかと覚悟していたが、意外なほどあっさりと、淡々と会話が進んだ。まず、単刀直入に、「この年齢で凍結した卵子を使って妊娠した人は見たことがないです」と言われる。30代で凍結した卵子を使って51歳で妊娠した人はいます、でも30代に採卵したものだからね、と、理事長。
私は、予備知識として、AMH(アンチミューラリアンホルモンの略称)が不妊治療の一環として測る数値の一つであることを学んでいて、その結果によって実際に卵子凍結をするかどうかを決めようと思っていた。AMHは発育過程の卵胞から分泌されるホルモンで、AMH検査では、卵巣に残った卵子の数を推定できると言われている。なので、医師に「AMHの値を見て凍結したいかどうか決めたい」と話したのだが、それに対しては、「年齢を考慮すると低い数値しかおそらく出ない。低い数値が正常だから。なので、それを見ても決めるきっかけにはならない。どうしてもやりたいなら(数値を見なくても)やればいい」とのことだった。
さらに、私の持っていた「痛み」に対する懸念に対しては、20代、30代の女性が卵子凍結する時に痛みがあったりするのは、一度に採る卵子の数を増やすための自己注射を行うことに加え、1回に10個、20個という単位で採卵することが多いためだという。40代後半の場合は取れても1回に1個、取れないこともあるので、痛くない。ちょっとは痛いかもしれないけど、麻酔がいらないくらい痛くない、という説明を受けた。
この初診でかかった費用は約2万円。卵子凍結まで行うと、それまでに必要な数回の診察も含めて、凍結1回あたり20~30万円の負担となるようだった。その後に、凍結した卵子の保管料が毎年かかってくるという。
「やると決めたら、次の生理が来た時に予約をとって、生理の2日目か3日目に診察に来てください」という次回への指示を受けて、支払いを済ませ、クリニックを後にした。