「私は、あらゆる人からのフィードバックを受け入れる傾向があった」とセガールは説明する。「けれども、みんなが口にするアドバイスを聞いて、混乱してしまっていることに気がついた。そして、自分が目指していた初期の製品が、必ずしも誰かの問題を解決するものではないことを実感できた」
「とにかく人々は、さまざまなことを言ってくる。それをフィルターにかけようとして私が具体的にしたことは、自分にとって理想的な顧客になるであろう意思決定者の話を聞くことだ。俗にいう『客からの雑音』に耳を傾けると、ビジネスをうまく方向転換できる。もう一つやったのは、自分の直感に従うことだ」
セガールは、ニッチを絞り込むことに躊躇した。せっかくの大きなビジネスチャンスを逃すことになるのではないかと思ったからだ。しかし、他の人のフィードバックに耳を傾けることで、市場内で唯一無二の立ち位置を手にした。
ギークス・アンド・エキスパーツは現在、ニューヨークの中小企業開発センターと提携しており、全州での研修ウェビナーをまもなくスタートさせる予定だ。
雑音をうまく取り込むには
・内省的な姿勢を養う:自分とは異なる観点を積極的に探し求めよう。それからその観点について、じっくり時間をかけて熟考しよう。その観点は、自分が描いている道筋を変えるものだろうか、あるいは、高めるものだろうか。もっと探究する価値のある見識はあるだろうか・境界線をはっきり引く:善意のアドバイスと、単なる批判や、やる気を削ぐだけのアドバイスとを区別しよう。価値を置くべきアドバイスを誰がくれるのか、鋭く判断しよう。取り込む雑音を制限することで、耳に入ってくる意見に、もっと注意を集中させることができる
・直感をあなどらない:直感は、自由に使える貴重なツールの一つだ。直感に従って、雑音を取捨選択しよう。これぞと思えるアイデアがあれば、さらに調べよう。自分のビジョンがすぐさま反対されたとしたら、反対するだけの理由があるはずだ。その理由を見極めることが極めて重要だ
・常に機敏に反応する:明確なビジョンをもつことは絶対に必要だが、当初の計画が変更される可能性を念頭に置いておこう。機敏な姿勢を失わなければ、新しい情報に適応し、必要に応じて方向転換ができる
雑音に耳を傾けるからといって、自分の方向性を諦めるわけではない。雑音に耳を傾けることで、創造的な見識と、革新的なソリューションが解き放たれる可能性が生まれる。そして、市場動向ならびに顧客ニーズとの、ダイナミックな対話が促される。それにより、時宜にかなった戦略と、機敏な姿勢が維持されるはずだ。
(forbes.com 原文)