さらに分析を進めると、インスリン受容体の存在がアミロイドベータプラークの除去に関与する主要な酵素と正の相関があることがわかった。この関連性は他の研究でも報告されている。アミロイドベータタンパク質が(1)インスリンの結合を妨げ、(2)血液脳関門の受容体の分解を促進することによって、インスリン抵抗性に寄与する可能性があると推測されている。この研究の発見に照らすと、アルツハイマーは脳血管系のインスリン結合部位の減少と対応しているようである。
これはアルツハイマー病の有望な治療アプローチを示している。血液脳関門を通過することなく、血管内のインスリン受容体をターゲットにした薬物が脳の活動に影響を与える可能性がある。しかし、インスリン抵抗性が認知機能の低下にどのように寄与するのか、またこれらの受容体を刺激することで症状がどのように改善されるのかはまだよくわかっていない。アルツハイマーにおけるインスリンの役割を理解するためにはさらなる研究が必要であるが、今回の発見によりアルツハイマーが2型糖尿病のように管理可能な状態になる未来に一歩近づいたと言えるだろう。
(forbes.com 原文)