ウクライナ軍のAPCとIFVの損失ははるかに少なく、撃破された数は合計で1200両ほどにとどまる。
ロシア軍のAPCとIFVの損失は5月に急増した。この戦争の装備の損害を独自に集計しているOSINTアナリストのアンドルー・パーペチュアによれば、撃破された数は計288両に達した。パーペチュアは「これはあくまで、わたしたちが見て数えたものだけだ」と強調している。
なぜそうなったのかは明らかだ。ウクライナの1000kmにおよぶ戦線のなかでもとくに激しい戦闘が繰り広げられている東部のアウジーウカ正面で、ウクライナ軍が優れた車両を用いる一方、ロシア軍の車両は劣化しているからだ。両者が相まみえると、ロシア側の車両は手ひどくやられている。
この1カ月あまりの間にソーシャルメディアで共有された2つの動画は、両軍の車両のそうした優劣をまざまざと示している。どちらの場合も、ウクライナ軍の米国製M2ブラッドレー歩兵戦闘車がロシア軍の装甲兵員輸送車と対決し、破壊している。ロシア側は2つの小競り合いで計数十人が戦死した可能性がある。
ひとつめの動画は、5月2日かその少し前に行われた戦闘の様子を映している。長期保管施設から引っ張り出され、自爆型のドローン(無人機)対策のケージ装甲を取り付けたロシア軍の老朽化したMT-LB装甲牽引車の一両が、車上に歩兵6人ほどを乗せて、アウジーウカ西方のウクライナ側の陣地に向けて走ってくる。1990年代に製造され、米国から300両あまり供与されたウクライナ軍のM2の一両がそれを迎え撃つ。
M2 Bradley shows how it’s done.
— Defense of Ukraine (@DefenceU) May 2, 2024
📹: 47th Mechanized Brigade pic.twitter.com/sjviFSUXdt
対して重量約30tの装軌車両であるM-2は直接戦闘用に設計されており、精確に高速で射撃できる25mm機関砲や、乗員や兵員を守るのに役立つ装甲を装備する。